BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「ray」(レイ)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味、制作背景、MV情報などについてご紹介します。「ray」を聴く際に参考にして下さい。
参考資料
・ROCKIN`ON JAPAN 2014年2月号,4月号
・MUSICA 2014年3月号,4月号
・bridge 2014 SPRING
・BUMP OF CHICKENと初音ミクのコラボを仕掛けた異才、東市篤憲の勝負師魂
BUMP OF CHICKEN「ray」の公式情報
BUMP OF CHICKEN「ray」の基本情報
タイトル | ray |
発売日 | 2014年3月12日 |
作詞作曲 | 藤原基央 |
完成時期 | 2013年7月13日 |
収録作品 | RAY(7th Album) |
タイアップ | 初音ミクとコラボした「ray feat. HATSUNE MIKU」 |
BUMP OF CHICKENの「ray」(レイ)はアルバム『RAY』に収録されている楽曲です。またアルバム発売の同日に、2作目となる配信限定シングル「ray feat. HATSUNE MIKU」がリリースされてました。
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虹を待つ人 | ray | You were here |
BUMP OF CHICKENのアルバム「RAY」の公式情報と制作背景へ
BUMP OF CHICKEN「ray」のタイトルの意味
元々のタイトルは「記憶の光芒」
「ray」は7枚目のアルバム『RAY』に収録されており、初のアルバムと同一のタイトルです。仮のタイトルが「記憶の光芒」でしたが、言葉のイメージが固かったので【光線、光の筋】という意味の「ray」というタイトルになりました。曲の後にアルバムタイトルが付けられました。
「ray」という名前が思いついてからは他のタイトル候補が入り込めないほど、ピッタリはまって、アルバム全体を包んでくれたと話しています。
他のタイトルもいっぱい考えたんですよ。でも、『RAY』という言葉に何も勝てなかったんです。“ray”って曲がアルバムを象徴するわけではないんです。でも他の曲もその単語が包んでくれた
藤原基央
出典: bridge 2014.SPRING
BUMP OF CHICKEN「ray」の制作背景
曲の完成は2013年7月13日
BUMP OF CHICKENの公式資料によると「ray」が完成したのは2013年7月13日となっていますが、歌詞を書いたのは2012年のことになります。
藤原が風呂あがりにふと歌詞が浮かび、半裸の状態で急いで1番の歌詞を書き留めています(パンツは着用していた)。
BUMP OF CHICKEN「ray」の曲の特徴
今までにない明るいサウンド
「ray」が公開された当時は、躍動感のあるビートとシンセサイザーの音が際立っていて今までのBUMP OF CHICKENからは想像できない、とても明るくポップなサウンドが印象的でした。
それゆえに昔からのリスナーは戸惑った人も多かったようですが、藤原は自然とできたアレンジだと話しています。
(アレンジを)いろいろやってはみたんですね。で、あの形に落ち着いたんだよな。まあ、あれが自然な形だったんだんと思います
藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2014.02
今までとやっていることは変わりない
シンセなどを使用していない初期のバンプと比べればだいぶサウンドは変わりましたが、アルバム『ユグドラシル』では「同じドアをくぐれたら」で初めてマンドリンが使われ、「プラネタリウム」ではバンドで初めてシンセサイザーが使われました。
バンド初のシンセが導入された「プラネタリウム」のアレンジ作業では、藤原は「バンドがシンセを使うとリスナーが戸惑うかもしれない」と悩んで、シンセを使用することは大きな決断でした。
こういった経緯があるので「ray」のサウンドのアレンジはこれまでやってきたことと変わらないと藤原は話しています。
「ray」も『ユグドラシル』の時に初めてマンドリンを使ってみたのと全然同じなんですよ。新たなアプローチを試みるというか、それはもう自然とそうなっちゃうんです
藤原基央
出典:bridge 2014 SPRING
シンセなしでも演奏してみたが曲の望む形じゃなかった
「WILLPOLIS 2013」での初披露に向けての練習時に、シンセなしで演奏していますが、それも悪くなかったけど曲の望む形じゃなかったとチャマは話しています。
BUMP OF CHICKEN「ray」の歌詞の意味
rayの歌詞の解説
重く暗い歌詞
《楽しい方がずっといいよ》《生きるのは最高だ》という歌詞のせいか、「ray」はすごく明るくて前向きな曲という印象も持った人も多いようです。
しかし歌詞の内容を見るととても重く暗いテーマだということがわかります。藤原は明るく前向きな曲という感想に対して、自分ではすごく暗い曲だと思っていたから驚いたと話しています。
「光」ではなく「影の唄」
ただの【光】ではなく【光線】であることが非常に重要だと藤原は公言しています。
なぜなら「ray」は後ろから自分を照らす光が逆光になってできる自分の“影の唄”だからです。
光源がまずあって、そこから光線が出ていて、それによってできた自分の影の歌だったりとか。「ray」ってそういう曲ですし
藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2014.04
ちなみに「友達の唄」ものび太が逆光を背負って立ってる歌で、CDのジャケットもそれを表しています。
rayで伝えたいこと
自分が繋いできた光
「宇宙飛行士への手紙」では、自分の思い出の光が後ろから照らしてくれていることを歌っています。
そして「ray」はそこからさらに進んだテーマになっており、思い出の光が後ろから照らしていることによってできた影で、前が見えないことを歌っています。
思い出が多くなれば、伸びる影も長くなる。しかし、それでも前に進む勇気を与えてくれるのは、やはり思い出なのです。
BUMP OF CHICKEN「ray」のライブ情報
「ray」のライブ演奏記録
「ray」のライブ映像が収録されている作品
収録作品 | 備考 |
GOLD GLIDER TOUR | 本編13曲目に収録。 |
「butterflies」 | 初回限定盤に付属のDVD&Blu-ray「Special Live 2015 at Yokohama Arena」に収録。※通常盤には未収録 |
BFLY | 本編14曲目に収録。 |
BUMP OF CHICKENの新たな代表曲
「ray」は非常に盛り上がる曲で2013年のWILLPOLIS武道館公演で初披露されから2018年12月現在までのライブでは演奏率100%誇っており、今のバンプのライブにはなくてはならない存在になっています。
バンプはこれまで「天体観測」がバンドの代表曲としてライブを牽引してきましたが、「Special Live 2015」のセットリストを決める時には天体観測が入っていないことにすら気付かなかったようで、「ray」がそれに取って代わる存在になってきているようです。
「ray」を2013年の武道館公演で初披露
「ray」は2013年10月28日に行われた「WILLPOLIS」のツアーファイナル武道館公演にてアルバムリリースに先駆けて初披露されました。いきさつとしてはスタッフがアルバムを作る提案をして、話題づくりも兼ねて武道館のステージ上でアルバムを発表して、アルバムから1曲披露してほしいと言ったのがきっかけでした。
武道館で「ray」演奏することが決まったのはライブ2週間前で、その時点で藤原さん以外のメンバーはまだ曲を聴いたことがないという状況でした。
時間がなかった為、はじめはバンドサウンドだけ演奏しましたが曲の望んでいる形じゃないという理由で、ツアー中にもかかわらずレコーディングを行いました。(当日はチャマが風邪の為、3人でレコーディング)
ライブでは演奏しないほうがいいと思うレベルの演奏
リハーサルをしたのはツアーで行った札幌の“北海きたえーる”のステージ上でしたが、ここに居合わせたMUSICA編集長の鹿野淳は「武道館ではやらないほうがいい」と思うほどの完成度だったそうです。
それでも本番にはある程度完成させ、観客からの反応はとてもよかったようです。バンプがリハーサルをちゃんとやらない曲を演奏するのはとても珍しいことで「firefly」が完成した時は仙台での初演奏を見送っています。
BUMP OF CHICKENと初音ミクとのコラボ
BUMPと初音ミクがコラボした理由
BUMP OF CHICKENが初のアーティストとコラボしたのが初音ミクで、配信限定シングルとして「ray feat. HATSUNE MIKU」という「ray」の別バージョンもリリースしました。
「BUMP OF CHICKENが初音ミクとコラボする」という話は賛否両論を引き起こしました。「バンプの新たな挑戦」として受け止める人や「バンドらしくない」とか厳しい声もさまざま上がりました。
しかしメンバーは映像作家の東市篤憲の初音ミクとルイヴィトンのコラボしたオペラ作品を見たことでコラボに対してメンバー全員前向きなコメントをしています。
藤原さんは初音ミクを普段は目に見えない音符という存在が人の形になったものだと考えていて、そこにとても共感したとコメントしています。
またカテゴライズされた音楽の文化の垣根をこのコラボレーションによって無くしたいとも思っているようです。
インターネットでしか音楽聴かないっていう人もいるだろうし、アニソンしか聴かないっていう人もいるだろうし、洋楽しか聴かないっていう人もいるし。なんかそこで、ひとつ垣根を壊してやろう!みたいな
藤原基央
出典:MUSICA 2014.04
世界中で話題になったMV
「BUMP OF CHICKEN×初音ミク」で話題になったのはコラボだけではなく、A4Aの東市篤憲の制作したMVも話題になりました。
このMVはCGではなくプロジェクションマッピングによってリアルタイムに映し出されたものを撮影されており前例のない撮影方法でした。このMVは日本だけでなく世界で注目され動画再生数は3日で100万再生を越えました。この話題のコラボは海外メディアにも取り上げられました。
「WILLPOLIS 2014」のツアーファイナルではライブのステージ上で初音ミクと共演しています。バンプのMVはこれまで番場監督が主に撮影してきましたが、「ray」以降は東市監督による作品が増えてきています。