BUMP OF CHICKEN公認・非公認ラブソングまとめ

BUMP OF CHICKENはラブソングをあまり歌わないと言われていますがそんなバンプにも公認している恋愛がテーマのラブソングはいくつかあります。

また作詞者である藤原基央本人がコメントしていないだけでラブソングだと思われる曲もあります。

この記事では

・インタビューなどで公式にラブソングだと認めている曲

・公式にラブソングではないと否定している曲

・公認されていないけれど個人的にラブソングだと思う曲

を紹介していきます。

※Wikipediaでは“ラブソングはインディーズ時代にしか作られていない”と記載がありますがそれは誤りです

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BUMP OF CHICKEN公認ラブソング

とっておきの唄


「とっておきの唄」はBUMP OF CHICKENインディーズ1枚目のアルバム『FLAME VEIN』に収録されている曲です。

“ゆっくりでいいから君が本当に笑って泣けるような二人になろう”

「とっておきの唄」/BUMP OF CHICKEN

冒頭から君へ対する甘い理想論を語るフレーズから始まっています。現実主義なバンプがRADWIMPS顔負けの理想論を歌う歌詞は今となっては本当にめずらしいです。

曲中でも《LOVE SONG》とそのままストレートに歌っています。

PATHFINDERの仙台公演では藤原さんがMCで「次はラブソングを歌います」と発言していました。

「とっておきの唄」は藤原もファンも自他共に認める公式ラブソングのひとつです。


参考文献:「PATHFINDER」宮城 セキスイハイムスーパーアリーナライブレポート

アルエ


「アルエ」はとっておきの唄と同じくアルバム『FLAME VEIN』に収録されており、シングルとしてリカットされています。

当時10代だった藤原がエヴァンゲリオンのヒロインである綾波レイへの想いを綴ったラブソングであることはあまりにも有名な話です。タイトルのアルエとは綾波レイの名前と苗字のイニシャルから取っています。

【アルエ】⇒【R.A(アール・エー)】⇒【Rei Ayanami】

メンバー全員がエヴァのファンで当時は4人でその話で盛り上がっていました。その会話でテンションが上がっていた藤原さんは「じゃあ俺曲作るわ」というノリで曲を制作しました。

アルエの楽曲情報と歌詞の意味へ


参考文献:bridge 2013 SPRING



リリィ


「リリィ」はBUMP OF CHICKENインディーズ2枚目のアルバム『THE LIVING DEAD』に収録されている曲です。

自分の弱音を隠してステージの上では強がって格好つけている主人公ですが、そういうところも受け入れてくれる恋人との物語を描いた曲です。

歌詞に登場する恋人は当時の藤原さんの彼女ではないかという噂もあります。当時の雑誌のインタビューで藤原さんはこんなコメントをしています。

私小説みたいな感じですね。凄いわがままな僕のラヴ・ソングですけど。(中略)リリィはね、実在するんですよ。あのー・・・僕はリリィが大好きです(笑)

出典:ROCKIN‘ON JAPAN 2000.JUNE

藤原さんはファンレターで「私を藤原君のリリィにして下さい」という手紙を貰い、藤原さんは「“リリィ”がいるから俺は“リリィ”を書いたんだよ」と話しています。

おまけにポンツカ2009年1月25日放送で藤原さんが若い時にデートした話をしていて、女の子と手を繋いでいたら緊張して手汗をかいてしまって手を拭きたかったけど、手を離したらもう二度と手を繋げないのではないかと思ったそうです。歌詞ともリンクするエピソードです。

この曲の歌詞は藤原さんの実体験が元になっており、“リリィ”(恋人)の代わりは他にいないと解釈できます。もしかすると歌詞に書いてあるとおり《最初で最後の恋人》なのかもしれません。


参考文献:ROCKIN‘ON JAPAN 2000.JUNE

embrace


「embrace」はアルバム『ユグドラシル』に収録されている曲です。

embraceとは【抱擁】という意味で、温もりをテーマにした曲です。

曲調からも温かみを感じることができ、曲に包まれているような気分にさえしてくれます。

 

バンプの公式ラブソングについてネットで調べると“バンプのラブソングは「とっておきの唄」「アルエ」「リリィ」の3曲だけです”と書かれている記事をよく見かけますがそれは間違いです

藤原さんは「embrace」への質問で「ラブソングです」と答えています。

ーこれはかなりストレートなラブソングという印象があるんだけど。

藤原「まあそうですね。ラブソングです。そのままな感じです」

出典:Talkin`Rock!(トーキンロック) 2004.09

バンプにしては珍しく歌詞に「キスをするよ」というフレーズも出てきます。この曲には別れなどのネガティブな言葉がなく、愛する人への想いを綴った結婚式ソングとして使う人も多いようです。

embraceの楽曲情報と歌詞の意味へ


参考文献:Talkin`Rock!(トーキンロック) 2004.09

花の名

“あなたが花なら 沢山のそれらと 変わりないのかもしれない
そこからひとつを 選んだ 僕だけに 歌える唄がある”

「花の名」/BUMP OF CHICKEN

たくさんある中からたった一つを選んだ、もうこれだけでラブソングである理由としては十分過ぎるフレーズです。

こちらも「embrace」同様、結婚式で使う人が多いみたいですが、藤原基央曰く「ラブソングだけど結婚式で歌えるようなもんじゃない」そうです。

 

花の名の楽曲情報と歌詞の意味へ


参考文献:MUSICA 2007.11

メーデー

バンプオブチキンのメーデーのジャケット

「メーデー」は「花の名」と同時リリースされたシングル曲で、「コミュニケーション」をテーマにした歌詞で、“人と繋がるとはどういうことなのか?”ということを考えて作られた曲です。

バンプにしては珍しく《口付け》という言葉が使われています。

“花の名”もそうだし“メーデー”もそうだけど、俺どっちもラブソングって言えると思うんですよ

藤原基央
出典:MUSICA 2007.11

メーデーの楽曲情報と歌詞の意味へ

R.I.P.

バンプオブチキンのRIPのジャケット

「R.I.P.」は、君と共有できていない記憶をテーマに歌った曲ですが、藤原さんは「大きな意味でのラブソング」であるとコメントしています。(出典:B-PASS 2010.01)

 

R.I.P.の楽曲情報と歌詞の意味

新世界

「新世界」はアルバム『aurora arc』の収録曲でもあり、ロッテ創業70周年記念CM「ベイビーアイラブユーだぜ」のテーマソングになったことでも話題になった楽曲です。

歌詞に《ベイビーアイラブユーだぜ》とあるように、藤原基央本人もラブソングであると公言しています。

ただラブソングとは言っても恋人に対する愛だけでなく、家族や友達、ペットなど幅広い意味での愛を歌っていると話しています。そういういろんな種類の気持ちを表現することを、《ベイビーアイラブユーだぜ》という言葉にしたことで上手くいったそうです。

“アイラブユー”に“だぜ”が付いている理由については「新世界」の記事で考察しております。

新世界の楽曲情報と歌詞の意味へ

BUMP OF CHICKEN非公認ラブソング

私の持っている資料で見つけられた公式ラブソングは先ほど紹介した8曲でした。ここからは作詞者である藤原基央本人がラブソングではないと否定している楽曲を紹介します。

スノースマイル

おそらくほとんどの人は「スノースマイル」を聴いてラブソングだと思ったことでしょう。藤原さん自身もほとんどの人がラブソングだと思うだろうと予想はしていたようですが「ラブソングではない」と公言しています。

“おそらくこの曲を聴いて多くの人が、男の子から女の子へ向けた歌なんだろうなと思うのかもしれないんだけども、曲が出来上がった時に、そして「スノースマイル」というタイトルを付けたときに、これはラブソングじゃなくなったなと思いましたね”

藤原基央
出典:Talkin Rock!2003.Jan

 

 

藤原さんは「これはラブソングじゃないから男にも聴いてもらいたい、これほどまでに硬派な曲はない」とコメントしております。

そしてベストアルバムに収録された時のインタビューでは「ラブソングではないが、わかりやすく伝わるように男女の話の雰囲気で書かれている」と答えています。

つまり物語的には男女の関係を描いているが、伝えたいところはそこじゃないという意味だと思われます。なので藤原さん的には歌詞の物語はどうであれ、テーマが恋愛じゃなければラブソングにはならないという基準があるのかもしれません。

ちなみ「COUNTDOWN JAPAN18/19」のMCでは「惚気(のろけ)を歌ってる」と冗談交じりに話していました(笑)

スノースマイルの楽曲情報と歌詞の意味へ


参考文献:Talkin Rock!2003.Jan、bridge2013.VO.75

天体観測

 

「天体観測」は「これはラブソングではなく雨の唄だ」と話していたというエピソードはファンの間では有名ですね。

この曲についての資料はあまり見つけられなかったのですが、藤原さん自身ラブソングであることを否定していますし、私も最初に聴いた時からラブソングだとは感じませんでした。

車輪の唄


「車輪の唄」は自転車を二人乗りする様子がいかにも恋人同士って感じでラブソングっぽいのですが、こちらも藤原さんは否定しております。

歌詞を見ると別れと旅立ちがテーマになっているようにも見えますが藤原さんは曲のテーマについて「これは、なんなんですかねえ」と答えており、自分でもあまりわかっていない印象でした。ただラブソングとしては書いてないと明言しています。

“別にどう受け取ってくれても構わないんですけど、まあ、訊かれれば違うことだから「違う」って言うしかないですね”

藤原基央
出典:bridge 2013 VOL.75 

「車輪の唄」は藤原さんが一晩で詞を書き上げています。なのであんまり悩んだりしないで書き上げたので書いた本人もその時の気持ちを覚えていないのかもしれません。

車輪の唄の楽曲情報と歌詞の意味へ


参考文献:bridge 2013 VOL.75、B-PASS 2004.09



個人的にラブソングだと思う曲

以上が藤原さんがラブソングであることを否定している曲でした。それでは最後に個人的にラブソングだと思う楽曲を紹介したいと思います。

飴玉の唄


アルバム『orbital period』に収録されたバンプの隠れた名曲のひとつ「飴玉の唄」。藤原さんが“信じることの究極系”とは何かということを考えて書かれました。

“僕は嫌だよ 君がいいよ 離れたくないな”

「飴玉の唄」/BUMP OF CHICKEN

別れを拒んで本能むき出しで「嫌だよ」と叫ぶこのフレーズに心打たれた人は多いと思います。出会いと別れ、そして信じることが描かれていて、難解な歌詞ですが感覚的に聴いても共感できる曲だと思います。

飴玉の唄の楽曲情報と歌詞の意味へ

66号線

こちらも隠れた名曲のひとつでアルバム『COSMONAUT』に収録されています。「66号線」はBUMP OF CHICKENのプロデューサーMORさんに向けて書かれた曲だという説が濃厚です。

“これはある親友に向けて歌った唄なんですけど、その親友に縁の深い数字が66だから”

出典:MUSICA 2011.01

《僕にだってきっとあなたを救える 今でも好きだと言ってくれますか》このフレーズからは藤原さんからプロデューサーに向けて歌った唄という裏事情を知らなけらば、これはラブソングにしか聴こえません。

是非とも恋人がいる人はその人に向けて歌って下さい。

「66号線」の楽曲情報と歌詞の意味へ

宇宙飛行士への手紙

そして最後に紹介するのはCOSMONAUTにも収録されている「宇宙飛行士への手紙」です。

これは藤原さんの実体験を交えながら歌詞を書いた曲で、“僕と君が出会う前の共有していない記憶があることの切なさ”“記憶を共有できる今”がどう未来に繋がっていくかが描かれています。

“出来るだけ離れないで いたいと願うのは
出会う前の君に 僕は絶対出会えないから”

「宇宙飛行士への手紙」/BUMP OF CHICKEN

出会う前の記憶はどうやっても知ることはできない、でも今は一緒にいれるのだからできるだけ同じ記憶を共有したいという気持ちは男女の恋愛を想像してしまいますね。《生きようとして 生き抜いた 稲妻》という象徴的な言葉が曲をロマンチックに彩っているように感じました。



藤原基央はなぜラブソングを歌わないのか?

出典:rockinon.com

ラブソングの紹介は以上ですが、それにしても藤原基央はなぜラブソングをあまり歌わないのでしょうか?

藤原さんはインタビューで「具体的な恋愛をテーマに曲を書くことはあんまりない」とコメントしています。というのも「スノースマイル」をはじめとして、いろんな曲の中に少しずつ恋愛模様のようなものを書いているからです。

“恋愛がどうとか、こういう出来事があったからとか、こういう人と知り合ったからとか、そのためだけに何か1曲バッとできるみたいなことは、あんまりないんじゃないかな。つまり、いろんな経験が合わさってひとつの曲になるみたいな感じですね”

藤原基央
出典:bridge 2013.VOL.75

このコメントを見た感じだと、一時の感情で曲を書くことはあまりないということですね。なのでプロデューサーに向けて歌った「66号線」などはかなり異例だったのです。

「なぜラブソングを歌わないのか?」という問いに対して藤原さんは自分でもよくわかっていないようでした。おそらくラブソングだとどうしても自分の過去の恋愛経験から特定の人をイメージして書かざるを得ないからではないかと思います。

リスナーのひとりひとりを大切にする藤原さんだからこそ、できる限りパーソナルなことだけは書きたくないのかもしれませんね。

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