BUMP OF CHICKENのCDやDVDで「MOR」という表記を見たことがある人も多いと思います。この「MOR」とはバンプのプロデューサーを務める人のことですが、その多くは謎に包まれています。
この記事ではBUMP OF CHICKENのプロデューサー「MOR」ついて紹介していきます。
BUMPのプロデューサーMORって誰?
MORとは誰?
80年代のバンドSTAR FIXのボーカル森徹也
MORとは森徹也(もりてつや)のプロデューサー名です。歌詞カードにもローマ字で名前が表記されています。MORはMORI TETSUYAの名字部分から取ったようです。
森徹也氏は80年代にSTAR FIX(スターフィックス)という5人組バンドでボーカルを務め、横浜のライブハウスを中心にバンド活動をしておりました。
STAR FIX時代の森徹也氏
その後1988年にCD・レコードデビューをしましたが、売り上げが悪く解散してしまいました。
その後は相川七瀬などの作詞作曲などを担当し(初期の作品のみ)、その後トイズファクトリーへ入社しました。2004年頃に独立し、フリーのプロデューサー「MOR」としてバンプに就くようになったようです。
jupiterの制作スタッフ
アルバム『jupiter』の頃からバンプとは関りがあり、当時はトイズファクトリーの社員としてディレクターを務めていました。
バンド初期のころはメンバーから“ディレクター”と呼んでいましたが、COSMONAUT期頃からは“プロデューサー”と呼ぶようになっています。
BUMP OF CHICKENとMOR
バンプオブチキンとMORの関係
メンバーはプロデューサーのことを「BUMP OF CHICKENを一歩引いた場所で見ている」、「いつも正しい意見をくれる」などと話しており、かなり厚い信頼があることがわかります。
バンプオブチキンとMOR氏は歳の差がおそらく10歳程度離れていますが、とても良好な関係を築いています。
余談ですが、ユグドラシル以前はあまりライブに顔を出さなかったそうです。理由は不明。
プロデューサーとしてのMOR
MOR氏はBUMP OF CHICKENの楽曲の方向性を決めたり、曲のアレンジのアイデアを出しています。バンプのほとんどの曲のアレンジは藤原基央とMORが考案したものです。
作詞作曲は藤原基央、編曲(アレンジ)はMOR、と言ったところでしょうか。
楽曲以外にも、ライブでの「ザイロバンド」や「恥ずかし島」のアイデアを出したと言われています。
他にも、藤原がスランプの時にスタジオに誘ったり、COSMONAUT期には曲のお題を出したりしています。
プロデューサーのお題シリーズ | |
お題 | タイトル |
四つ打ちの曲 | 宇宙飛行士への手紙 |
桜の歌 | pinkie |
ジャカジャンっていう曲 | (please)forgive |
シングル曲 | 分別奮闘記 |
シングル曲 | R.I.P. |
ゴスペル | angel fall |
クリスマスソング | Merry Christmas |
藤原基央とMORの関係
藤原はプロデューサーを「親友」だと話しており、二人で東京タワーに遊びに行ったり、レコーディングの合間にペットショップに行ったりと、とても仲が良いことが伺えます。
「天体観測」の作詞の時に、藤原は箱根の旅館に缶詰め状態でしたが、プロデューサーは心配してわざわざ箱根まで迎えに来ました。その後、藤原は「天体観測」を完成されています。
作詞に9ヶ月もかかった「ロストマン」は、スランプだった藤原を心配したプロデューサ-が藤原宅に遊びにきたことがきっかけで誕生しており、MOR氏がいなかったら「ロストマン」はおろか、藤原基央の音楽人生も終わっていたかもしれません。
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MORのラッキーナンバー「66」
人形劇ギルドに登場する66ギルド
「人形劇ギルド」の作品内には“ギルド66”が登場しますが、これはMOR氏のラッキーナンバーである「66」から取ったものです。車のナンバーも「66」らしいです。
また「人形劇ギルド」の制作時にはある事件が起き、藤原のことを想ってプロデューサーが大泣きするという事態も起こりました。
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MORに贈られた「66号線」
「66号線」はアルバム『COSMONAUT』の収録曲です。これは藤原基央がプロデューサーのMORこと森徹也氏に贈った曲という説が濃厚です。
藤原は親友が泣いてる姿に居ても立っても居られず、曲を書きました。
これはある親友に向けて歌った唄なんですけど、その親友に縁の深い数字が「66」だから
出典 MUSICA 2011.1
榎本くるみの作詞作曲を担当
榎本くるみというアーティスト名を聞いたことないという方は多いと思いますが、この人は藤原基央とMORの両者から「冒険彗星」という楽曲を提供され、アニメ「テイルズオブジアビス」のエンディング曲を担当した方です。
実はこの曲以外にも楽曲提供されたものはいくつかあり、特にMOR氏とは2006年頃から共同作業していたようです。榎本くるみの曲の作詞作曲者を見ると、MOR氏が多くの楽曲に関わっていることがわかります。
しかもその中に「ジャングルジム」という、藤原基央が「ロストマン」制作時に完成させた曲と同じタイトルの楽曲があります。
藤原さんは完成させた「ジャングルジム」を、“求めていたものと違う”という理由でボツにしてしまいましたが、もしかしたらその曲がMOR氏を通して形を変え、榎本くるみさんに受け継がれたのではないかと私は予想しています。
この「ジャングルジム」については、アルバム『aurora arc』に収録のほうの「ジャングルジム」の記事でも紹介しているのでよかったらご覧下さい。
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まとめ
プロデューサーのMOR氏は決して表舞台には出なくとも、バンプオブチキンの陰の立役者としてなくてはならない存在です。
バンプに似た楽曲がないのもMOR氏のアレンジの才能のおかげだと思います。これからもBUMP OF CHICKENのメンバーとして活躍してほしいです。