BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「透明飛行船」(とうめいひこうせん)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の基本情報や歌詞の意味の考察、制作背景などについてご紹介します。「透明飛行船」を聴く際に参考にして下さい。
参考資料
- ROCKIN`ON JAPAN 2011.01、02
- MUSICA 2010.12、2011.01
- B-PASS 2011.02
- bridge 2011 WINTER
- excite.ニュース
BUMP OF CHICKEN「透明飛行船」の公式情報
透明飛行船の基本情報
タイトル | 透明飛行船(アルバム収録曲) |
発売日 | 2010年12月15日 |
作詞作曲 | 藤原基央 |
完成時期 | 2009年6月頃 |
収録アルバム | COSMONAUT(6th Album) |
タイアップ | なし |
BUMP OF CHICKENの「透明飛行船」(とうめいひこうせん)はアルバム『COSMONAUT』に収録されている楽曲です。
この曲は藤原が自宅を拠点に作曲した最後の曲になります。
BUMP OF CHICKENのアルバム『COSMONAUT』楽曲一覧へ
透明飛行船の制作背景
好調と不調を繰り返す藤原
当時の藤原は基本的に自宅で作曲活動しており、2008年の年末に「HAPPY」「66号線」「セントエルモの火」を立て続けに完成させ、そこからスランプで4ヵ月書けなくなりました。
次に完成したのが藤原が30歳の誕生日(2009年4月12日)直前に書いた「魔法の料理~君から君へ~」で、その数日後に「モーターサイクル」を書き上げました。
順調に作曲活動が続いたかと思えばまた書けなくなってしまい、心配したプロデューサーは藤原に「曲ができなくてもいいからスタジオで入ろうよ」と声を掛けました。
プロデューサーの協力
プロデューサーが藤原に協力的になったことは非常に珍しいことで、直井は驚いてプロデューサーに電話で確認するほどでした。
昔はライブにも顔を出さなかったプロデューサーになにか心境の変化があったのかもしれません。もしかしたら「66号線」の歌詞と繋がりがあるかもしれません。
BUMP OF CHICKEN「66号線」の楽曲情報と歌詞の意味へ
「透明飛行船」は自宅で作曲した最後の曲
プロデューサーに誘われたことがきっかけで、ここから藤原の制作拠点が自宅からスタジオに移っていくことになります。※拠点を移したことで藤原の作曲スピードが格段に上がっていきます
藤原はスタジオに入ることを容認しましたが、プロデューサーの優しさに甘えてはいけないと思い、スタジオ入りの前日に寝ずに意地で「透明飛行船」を書き上げました。これが自宅拠点時代の最後の曲になります。
なんか、久々に会うプロデューサーに、「俺はちゃんと曲が書けるやつです」って言いたかったと思うんです(笑)
藤原基央
出典:excite
意地で書いた曲
「透明飛行船」は意地で書いてしまったために、伝わることよりも、自分の書きたいこと本能的に書いてしまったと話し、衝動で書いてしまったことを反省しているようです。
衝動だけじゃだめだと思うんですよ、「透明飛行船」はだから衝動だけです(笑)
藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2011.02
BUMP OF CHICKEN「透明飛行船」の歌詞の意味
透明飛行船の歌詞の特徴
過去を基軸にした手法
「透明飛行船」は藤原基央が、自分の過去の体験を元に書いた「過去基軸手法」の歌詞です。過去を軸に物語が進むことで、自分の成長や、今という時間の大切さを強く感じることができます。
こういう手法になったのは、藤原が30歳を迎え、過去を振り返ることがあったからだと話しています。
歌詞に登場する実在する場所
宮田公園と怖かったお社の場所
千葉県佐倉市にある「宮田公園」/出典:フォト蔵
怖かったお社のモデル「宮田弁財天」の鳥居/出典:Picdeer
歌詞に登場する《宮田公園》と《怖かったお社》は実在する場所で、バンプの地元千葉県佐倉市にある「宮田弁財天」のことです。
藤原は自分しか知らない場所だったので歌詞に入れるか悩みましたが、この曲ではこの言葉を使うしかなかったと話しています。
この歌詞の中では、この言葉じゃなきゃいけないなって……適当な言葉で平静を装うようなことはしたくないと思ったんです
藤原基央
出典:MUSICA 2011.01
透明飛行船で伝えたいこと
透明飛行船とは?
実際の飛行船の写真
子供の頃に鉄棒から落ちて見た飛行船を思い出すかのように、それを透明な空に思い描く様子を「透明飛行船」と言い表しています。
これは“昔はあったけど、今はないモノ”という時代の変化と、“時間が経っても変わらないモノ”を2重の意味で表しています。
※今では飛行船を見かけることが減りましたが、都心ではまだ多少飛んでるようです
みんな弱さを隠して生きている
カッコつけて平気なふりをして、周りに弱さを見せられない主人公。これは誰もが少なからずやっていることだと思います。
この曲で伝えたいことは、誰もが弱さを隠して笑っているのだから、カッコつけずに辛い時は泣いてもいいんだよ、時には優しさに甘えてもいいんだよ、ということを伝えようとしていると思います。
曲を書いた時の藤原そのものを表した曲
藤原はこの曲を書くまでずっとスランプが続いており、「このまま書けなかったら自分の存在意義に関わる!」と思い、とても怖かったそうです。
そしてプロデューサーがスタジオに入ろうと誘ってくれたことに対し「優しさに甘えちゃいけない!」と思って、意地で書いたのが「透明飛行船」です。
つまりこの歌詞は、藤原基央が自分自身に「優しさに甘えていいんだよ」と説得させようとして生まれてたのだと思われます。
BUMP OF CHICKEN「透明飛行船」のライブ情報
「透明飛行船」のライブ演奏記録
初披露日時 | 初披露ライブ | 演奏頻度 |
2011年12月06日 | GOOD GLIDER TOUR@SHIBUYA-AX (東京都) |
ライブ映像が収録されている作品
現在、「透明飛行船」が収録されている映像作品はありません。