BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「記念撮影」(きねんさつえい)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味の考察、制作背景、MV情報などについてご紹介します。「記念撮影」を聴く際に参考にして下さい。
参考
- MUSICA 2018年8月号
- rockinon.com
- BUMP OF CHICKENのPONTSUKA !!2017年7月9日放送
- CUT 2019 JULY
BUMP OF CHICKEN「記念撮影」の公式情報
BUMP OF CHICKEN「記念撮影」の基本情報
タイトル | 記念撮影 |
発売日 | 2017年7月5日(9th digital) |
作詞作曲 | 藤原基央 |
完成時期 | ? |
収録アルバム | aurora arc(9th Album) |
タイアップ | 日清カップヌードル「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」CMソング |
BUMP OF CHICKENの「記念撮影」は9作目の配信限定シングルです。BPMは「60」のスロウナンバーで、幻想的でノスタルジックなサウンドが特徴的です。
日清カップヌードル「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」テレビCMソング(2017年6月19日から放送)に曲を提供しました。
前のシングル | 現在 | 次のシングル |
リボン(8th digital) | 記念撮影(9th digital) | 望遠のマーチ(10th digital) |
「記念撮影」の制作背景
描きたかったのは写真ではなく撮影するという行為
「記念撮影」において藤原基央が描きたかったのは“写真”ではなく“撮影したという行為”そのものです。
藤原はサファリパークで動物を撮ったことがあるそうですが、写真を見返した時に「なんでこの写真を撮ったのだろう?動物を見たいのなら図鑑でもいいはずなのに・・・」、こういった背景から“なぜ人は写真を撮るのか?”という疑問を持ちました。
その疑問の答えとなるのが「撮影した時の気持ちを、未来に残す行為」という結論でした。
普段、私たちは「何故写真を撮るのか?」という疑問を持たずに撮影しますが、「記念撮影」はその答えを見事に言語化した作品だと言えます。
敢えて「写真」という言葉を使わなかった
「記念撮影」の歌詞には《写真》という言葉が一切使われていません。これは強調したい所が“撮影したという行為”そのものなので、敢えて使用するのを避けています。
また藤原基央の作詞スタイルとも言える“時代性を感じさせない普遍性”がこの曲に表れており、スマホ世代の人も、インスタントカメラ世代の人にも均等に響くような歌詞構成になっています
それゆえに《写真》や《画像》という言葉は一切使われていません。
日清カップヌードルCMソングに起用
「記念撮影」は2017年6月19日よりオンエアされた日清カップヌードル「HUNGRY DAYS アオハルかよ。」のCMソングに起用されました。「魔女の宅急便篇」(6月)、「アルプスの少女ハイジ篇」(9月)、「サザエさん篇」(11月)の3種類のCMで約半年に渡り楽曲が使用されました。
CM制作サイドからの熱烈なオファーによってタイアップが実現し、書き下ろしではなく、既に完成していた曲を提供する形で起用されました。
2019年にも記念撮影が使用された
2019年5月より再び「HUNGRY DAYS ワンピース ソロ編」のCMが始まり、主題歌には引き続き「記念撮影」が使用されました。
CM予告編で藤原基央と林原めぐみが間接的に共演
CM放送前の6月8日の「アメトーーク」では林原めぐみのナレーションと「記念撮影」の曲の一部が使われた予告編が公開され、「この歌声は藤原基央では?」とSNSを賑わせていました。
またエヴァンゲリオンの綾波レイの声優としても有名な林原めぐみと、綾波レイが大好きな藤原基央が間接的に共演したことで、ファンからは「長年の願いが叶った」というコメントも多くあがっていました。
CMに隠されたバンプネタ
「記念撮影」が使用されたCMにはアニメーション内にニコルが登場したり、記念撮影のジャケットが登場したりなどバンプネタが隠されています。
記念撮影のMV(ミュージックビデオ)
記念撮影のリリックビデオ・MV情報 | |
監督(リリックビデオ・MV) | 東市篤憲(A4A) |
撮影場所 | 幕張メッセ(2017年9月16、17日) |
出演 | BUMP OF CHICKEN、他 |
「記念撮影」は2017年7月5日にリリックビデオが公開され、その後11月21日に9月16日、17日のPATHFINDER幕張メッセ公演の2日間の映像を編集したMVが公開されました。
BUMP OF CHICKEN「記念撮影」の歌詞の意味
「記念撮影」の歌詞の解説
過去に想像していた理想の未来とは違う現在を生きることの苦悩と痛み。
言葉にできない、どうしたらいいかわからない想いを胸に抱えたまま日常を生きていて、紙飛行機を届かない空へ飛ばすように、想いを行くことのできない未来に託す様子が描かれています。
遠吠えとブレーキとコーラ
遠くに聞こえた 遠吠えとブレーキ 一本のコーラを挟んで座った
「記念撮影」/BUMP OF CHICKEN
《遠吠え》は過去の自分の心の叫び声で、《ブレーキ》はその心に歯止めをかけている状態を表しています。
遠吠えやブレーキは日常的に耳にするものではなく非日常的なものです。
しかしそれが聞こえたからといって遠いところにわざわざ確認するまでもない。心が叫んでいたりそれにブレーキをかけていても、何がしたいのか言葉に直せない気持ちをいちいち確かめるなんて面倒なことをしたくなかった。
だから《一本のコーラ》という日常で挟んで、遠吠えとブレーキを遮断するという表現になっています。
そして過去の自分からの遠吠えとブレーキの音は時間の経過と共に薄れていき、《聞こえた気がした》という表現に変わっていきます。
固まって待ったシャッター
固まって待ったシャッター レンズの前で並んで
とても楽しくて ずるくて あまりに眩しかった「記念撮影」/BUMP OF CHICKEN
理想の未来を夢を見ていた【過去の自分】
あの時、二人で見つめた【未来の自分】
それを実現できていない【今の自分】は過去と未来に挟まれて固まってしまった。
過去の自分の心の遠吠えが聞こえていながら、自分の心と向き合わずにそれを隠して生きて、それなりに楽しい人生を送っている自分がずるいと思ったのでしょう。
そして、むかし二人で見ていた理想の未来が眩しいことと、カメラのフラッシュが眩しいことを掛けた表現になっています。
BUMP OF CHICKEN「記念撮影」の意味とは
人はどうして写真を撮るのか?
人はどうして写真を撮るのでしょうか?SNSをあまりやらない人でも記念に一枚とか言って写真を撮る人は多いと思います。
【制作背景】の章でも説明しましたが、もし動物の写真を見たいのであれば、図鑑で見ればいい。つまり写真そのものに意味があるのではなく、“撮影した”という行為に意味があると藤原さんは話しています。
動物の写真にせよ、旅行の写真にせよ、写真を見るとその時の気持ちや記憶を思い出すことができます。
私たちが写真を撮る理由は、その時の気持ちを思い出す為の未来の自分へ向けたメッセージなのです。私たちは写真を撮る時に無意識に“今の気持ち”を切り取って、紙飛行機を届かない空に飛ばすように、行くことのできない未来へ飛ばしているのです。
その時に撮ったことをちゃんと覚えていれば、その後同じ感覚、同じ言葉、同じ概念に、出会うことがあるんですよ
藤原基央
出典:CUT 2019.JULY
記念撮影とは今の心を記す行為
「記念撮影」という言葉を分解すると
念=「今」+「心」+「記す」+「撮影」となり
“今の心を記す撮影”となります。写真には心は映りませんが、当時の気持ちを思い出させてくれます。思い出せるということは、その時の気持ちとはお別れしているということです。
藤原が最も伝えたかったことは、「記念撮影とは自分の心と一緒にいた確かな証拠」ということではないでしょうか。
あの時こう思ってたなっていう事実は揺るぎないことで、記念撮影というのはそれを残すためのひとつの作業だと思っていて
藤原基央
出典:CUT 2019 JULY
BUMP OF CHICKEN「記念撮影」のライブ情報
「記念撮影」のライブでの演奏
初披露日時 | 初披露ライブ |
2017年9月16日 | TOUR 2017-2018 PATHFINDER@幕張メッセ国際展示場 1~3ホール (千葉県) |
「記念撮影」はツアーPATHFINDERの2017年9月16日幕張メッセ公演でライブ初披露されました。ツアーを通して固定セトリとして演奏されました。
「記念撮影」の収録されている映像作品
タイトル | 備考 |
PATHFINDER | |
PATHFINDER LIVE AT STUDIO COAST |