太陽の楽曲情報と歌詞の意味‐本当の意味で触れるということ‐

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「太陽」を公式情報を元に解説していきます。この記事では作曲の経緯や歌詞の意味の考察、制作秘話などについてご紹介します。

アルバム『ユグドラシル楽曲一覧へ』


参考資料
・ROCKIN`ON JAPAN 2004.09
・B-PASS 2004.09
・トーキンロック!no.46

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楽曲解説

基本情報

バンプオブチキンの太陽の画像

タイトル太陽
収録アルバムユグドラシル(4th)
発売日2004年8月25日
完成時期2003年後半
作詞作曲藤原基央

BUMP OF CHICKENの「太陽」はアルバム『ユグドラシル』に収録の楽曲です。イントロのシンプルなギターの音は動物が歩いているようなサウンドを作ってみようと藤原基央が遊び感覚で作ったものです。

制作背景

完成時期

「太陽」は2003年に制作された曲で、完成順としては、「embrace」⇒「同じドアをくぐれたら」⇒「太陽」の順で完成しており、「太陽」のレコーディング中に「ギルド」を完成させています。

曲のテーマ

「太陽」は本当の意味で“触れる、触れられる”ということの怖さを表していて、最終的に決断をする様子が描かれています。

歌詞に出てくる「壊れかけのドアノブ」はもしかすると取れてしまうかもしれないという災害的要素を意味しており、同時にその災害を予測できているところもポイントで、一度外に出たら戻れないという覚悟と決意の象徴になっています。

“本当の意味で触れる、触れられるということがどれほど怖いことか…っていうことなんだなと思います。そこでなにかを決意しようとしてる曲です。その決意のきっかけになるのが《ドアノブ》なんでしょうね”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09

本当の意味でオンリーロンリーグローリー

孤独を知ったうえで自分を外に向かわせていく様子は本当の意味で「オンリーロンリーグローリー」なのかもしれないと藤原は話しています。もしかしたら《そしてその身をどうするんだ》という歌い出しは「太陽」の続きから始まる歌詞なのかもしれません。



歌詞の意味

歌詞の内容

「太陽」の歌詞は抽象的でわかりにくいところが多く、藤原もデフォルメ(形を変えて表現すること)の曲だと話しています。

この曲は単に「待っているだけじゃ何も始まらない」ということだけでなく、外に出ていくということがどれだけ怖いことなのかも伝えています。

真っ暗な世界

“二度と朝には出会わない 窓の無い部屋で動物が一匹
ドアノブが壊れかけていて 触れたら最後 取れてしまいそうだ”

「太陽」/BUMP OF CHICKEN

主人公は窓すらない閉鎖空間にひきこもって外の世界との接触を遮断してしまっています。光が一切届かない部屋は視覚から得られる情報が全くないことを表しています。

人との関わりがなくなれば、裏切られることも、傷つけられることも、誰かと比べられることもなくなり人に怯えて震えることはなくなります。

不自由のない世界

“例えば笑ってみろよ こっちもひたすら笑えるさ”
“例えば泣いてみろよ こっちはそれすら笑えるさ”

「太陽」/BUMP OF CHICKEN

外の世界の人が自分を笑って馬鹿にしても、悲しんで泣いていたとしても、そっちの世界には未練がないと、不自由のない世界にいる優越感に浸り強がってるように見えます。

つまり主人公は自分の世界に閉じこもってしまっているのです。《誰もが口を揃えて「影しか見えない」と言った》のは主人公が本音を出さずに閉じ籠ったままだったからだと思います。

窓のない部屋とは人と関わることをやめた世界という比喩なのかもしれません。

君の姿が見えない僕

“君がライトで照らしてくれた 暖かくて寒気がした
光の向こうの君の姿が 僕には見えないと知った”

「太陽」/BUMP OF CHICKEN

君が僕を照らしてくれたが、君の姿が見えなかった。これは太陽を直視した時のように、君の照らしたライトが眩し過ぎて君の姿が見えなかったのです、暗い部屋にいたから瞳孔も開いていただろうし。

君の姿を見るにはライトを使わなくてもいいように明るい場所に出なくてはなりません。それを避けるために主人公は君のライトを壊してしまったのです。

ライトを壊した理由

“それより触ってくれよ 影すら溶けていく世界で
影じゃない僕の形を”

「太陽」/BUMP OF CHICKEN

ライトを壊せば君は部屋まで入ってきて僕の姿を手探りで探すしかありません。

しかしそれが過ちだとすぐに気付きます。なぜなら主人公が本当に見たかったのは《君の姿》だったからです。ライトが壊れたので君の姿を見る術がなくなってしまったのです。



なぜ君の姿を見たかったのか?

“僕を探しに来てくれてた 光の向こうの君の姿が 
永遠に見えなくなってしまった それが見たかったんだと気付いた”

「太陽」/BUMP OF CHICKEN

なぜ主人公は君の姿を見たかったと気づいたのでしょう?

それは影すら溶けてしまう暗闇の中ではそれが誰なのかわからないからです。1番の歌詞で《動物が一匹》だったのが、闇が更に深くなる2番では《心臓がひとつ》と、存在が曖昧になっているのがわかります。しかし歌詞の最後では光を求めた後に《人間が一人》と存在が明確になっています。

誰かに気付いてもらいたかった主人公

主人公は誰かに自分という存在に気付いてほしかった、それゆえに触ってもらいたかった。でも光がなくては君のことさえ人間なのか動物なのかわからないのです。つまり光のない世界では誰もが個性を持たないただの肉塊になってしまうのです。

自分を受け入れてほしかった

他者との違いに怯えてひきこもり、孤独を望んだはずの主人公ですが、暗闇の中で気付いたことは自分というアイデンティティーを持った人間を誰かに受け入れてもらいたいということだったのです。

見えなければ自分と他者の区別がつかず、アイデンティーも生まれてこないのです。

太陽の意味や伝えたいこと

「太陽」は温もりの象徴

太陽という言葉は歌詞中に一度も登場せず、それに近い言葉として《空のライト》という言葉が使われています。それでも「太陽」というタイトルを選んだ理由は部屋の外の世界には温かさがあるという意味合いを持たせたかったからだと思います。

「何にもない世界」と「何でもある世界」

人は自分の部屋に引きこもっていれば面倒な人間関係を持たなくていいし、事故など命の危険もない。その代わりその世界は自由も不自由も両方ない世界です。

言ってしまえば、窓のない部屋は「何もない無の世界」で、外の世界は「何でもある有の世界」なのです。この宇宙は何もない真っ暗な無からビッグバンという凄まじい熱によって光や時間、空間、物質などが生まれたと言われています。

温もりは全ての始まり

ビッグバンによって熱が生まれたことで宇宙が始まったように、温かさがあったから良いことも悪いことも全てが生まれたということです。他者の温度に触れることは人間関係の始まりで、そこから喜びも悲しみも始まります。窓のない部屋から外に出るとはそういうことなのです。

“本当の意味で…自分を外に向かせていく。ひきこもりじゃないですけど、部屋から出るっつうことは、こういうことなんじゃないかなと思います”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09



太陽のライブ情報

出典:rockinon.com

「太陽」はライブでの演奏回数は少なく、2015年の「Special Live 2015」では約9年ぶりに演奏されました。それ以前では2006年の演奏が最後になっており、韓国ソウルで行った「BUMP OF CHICKEN LIVE IN SEOUL」、ツアー「run rabbit run」で演奏されておりライブで披露することは非常に珍しいことがわかります。

「Special Live 2015」のライブの映像はアルバム『Butterflies (初回限定盤 CD+Blu-ray) [ BUMP OF CHICKEN ]』の初回盤に付属のDVD or Blu-rayに収録されていますので気になった方はチェックしてみて下さい。ユグドラシルの曲が多く演奏されたライブなのでCDアルバム音源と歌い方や演奏の違いを比べてみるのも面白いかもしれません。

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