同じドアをくぐれたらの楽曲情報と歌詞の意味-天秤をテーマに書いた唄-

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「同じドアをくぐれたら」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では増川弘明の脱退問題や歌詞の意味、制作秘話などについてご紹介します。

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参考資料
・ROCKIN`ON JAPAN 2004年1月号、8月号、9月号
・B-PASS 2004年9月号
・トーキンロック!2004年9月号
・excite music interview with bump of chicken

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同じドアをくぐれたらの楽曲情報

基本情報

同じドアをくぐれたらの画像

タイトル同じドアをくぐれたら
発売日2004年8月25日
作詞作曲藤原基央
完成時期2003年夏頃
収録アルバムユグドラシル(4th Album)
タイアップなし

BUMP OF CHICKENの「同じドアをくぐれたら」はアルバム『ユグドラシル』に収録されている楽曲です。

制作背景

藤原の手癖で弾いていたアルペジオから生まれた曲

「同じドアをくぐれたら」は藤原のギターの手癖で弾いていたサビのアルペジオがきっかけで生まれた曲。バンドで初めてマンドリンが使用された楽曲であり、jupierまでは音楽を感情論で表現していましたが、この頃から曲の望む形で表現するという方法に変わってきています。

天秤をモチーフにした曲

「同じドアをくぐれたら」は天秤をモチーフに書いた曲で、藤原基央さんはボクシングでは勝った方の腕を上げるのに対し、天秤は軽い方(重要でない方)が高く上がるところにドラマを感じ詩人として書かずにいられなかったそうです。

“ボクシングでも勝った方の手が上がるわけじゃないですか。だけど天秤の場合、負けた方が上がるんですよ。すげえなあと思いましたね”

藤原基央
出典:トーキンロック!2004.09

 曲と向き合う覚悟を持ち始めた

jupiter期は感情論で音を表現してきましたが、ユグドラシル期に入ると“曲の望む形”で音を鳴らすために藤原はメンバーへ技術の向上を求めました。

「同じドアをくぐれたら」を書いた時にもう意図的に、ちゃんと覚悟しなきゃプレイできねえような曲にしてしまえ、と思って

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

この頃から升、直井は曲に対する意識が変わり始め、藤原に積極的に意見を求めたり、レコーディングも自分が納得するまで夜遅くまで行うことが増えてきました。

必要事項しか話さなくなり、曲の望む形にするために貪欲になり、バンドの空気感が変わり始めた頃です。



バンドのプライベートでの出来事

増川弘明の脱退問題

画像:excite music

公式情報ではありませんが、ユグドラシル制作時期に増川弘明がメンバーを脱退しようとしていたという噂があります。

しかしこの噂はあながち間違っていないと思われます。というのも増川は「同じドアをくぐれたら」と「embrace」のレコーディングにスキル不足のため参加させてもらえず、増川自身も当時のギターのスキル不足を認めており、プライベートでもいろいろあったと公言しているからです。

レコーディングに俺の音は入ってないんですよ。参加してないの。できればね、もっと俺が簡単に上手く弾いてくれよっていうのが本音だろうし

増川弘明
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

噂では増川が技術不足にもかかわらず練習に参加せず、他のメンバーが苛立っていたという説があります。

公言できないプライベートな問題

バンプオブチキンは仲の良い友達の延長線上でバンドを結成して、デビュー後も4人で1人みたいに周りから認知されてきました。しかし曲の望む形を追求するために仲良しバンドではなく、プロとして音楽と向き合う必要が出てきました。

ユグドラシル期ではメンバー1人1人が曲に対する責任感がいっそう強くなった時期でもあります。そのためにただの仲良しバンドだけでなく、本音を曝け出してぶつかり合う必要があったようです。

もう1人1人が……全部曝け出して、内面まで。その上で再確認できてるようになってて、今は。思うことをお互い本音で言うし

増川弘明
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

増川と直井の間にトラブル?

他にも増川が結婚したなどの噂がありますが、雑誌では「ここでは話せないプライベートなこと」とコメントしており具体的に何があったのかは関係者以外わかりません。

しかし「ROCKIN`ON JAPAN 2004.01」に載っているインタビューを読むと、直井がずっと何かを隠すように話しており、直井が増川に対して怒っていることがわかります(升は割と普通な様子)。

2010年頃の雑誌では、増川が独り身の藤原をからかう様子が載っており、「増川結婚説」も間違いとは言い難いです。

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同じドアをくぐれたらの歌詞の意味

2択がテーマ

「同じドアをくぐれたら」は天秤をモチーフにして、2択を表現した曲です。

天秤で高く上がった方が重要でないもので、それを捨てれば次のドアを開ける鍵を受け取れるという内容です。

人生は小さなものから大きなものまで選択の繰り返しです。「右にいくか左にいくか?」、「諦めか続けるか?」人は選択を迫られた時にその二つを天秤にかけ、どちらかを捨てなければ先に進むことはできません。

この頃、バンプオブチキンは4人は1つじゃなくて、1人1人が独立した別々の人間であることを再認識した時でもあり、4人は同じドアをくぐれないという意味を込めているのかもしれません。

俺は……最近強く、とにかく思うと。独立した思念体であると、人間1人は。独立したアイデンティティーがまとまって、英語で言えば一つ一つの1がまとまってWeの形になってるだけのことであって。ていう意識はすごく最近持ってて

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

また躊躇して迷っていることがどれだけ無駄に時間を進めてしまうというメッセージも込められています。

藤原からメンバーへ捧げた曲

「同じドアをくぐれたら」は藤原からメンバーへ捧げた曲です。【増川弘明の脱退問題】で書いたように、当時バンドは増川を含めプライベートでいろいろあった時期でした。 

しかしそんな状況でも1人飄々としていた藤原は他の3人の悩んでいる様子を曲にしたいと思い、「メンバーへ手向ける気持ち」で曲を制作しました。

個人的なレベルでいろいろあって……ソングライターの強みなんじゃないかな。そういうとこも全部曲にしたいっていうか。だからメンバーには言わなかったけど…

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

藤原は「バンドを辞めるか?バンドを続けるか?」の2択に迫られているメンバーを見て「重要でない方を捨てる」という天秤の曲を書いたのではないかと思われます。



チャマに贈られた曲?

この曲にはもうひとつの推測があります。それはベースのチャマこと直井由文に贈られた曲だということです。

藤原さんはメンバーへ捧げた曲だと発言していますが、「ROCKIN`ON JAPAN 2004.01」のインタビューで直井は、レコーディングが終わった曲の中に藤原の超パーソナルな曲があり、それをみんなに演奏してもらってボロ泣きしたと話しています。

“もうボロ泣きだった(笑)。俺は特別な時にその歌を彼に歌ってもらったんだ。彼は俺に歌ってくれたし、他のメンバーも俺に演奏してくれたんだ”

直井由文
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

インタビュー当時、レコーディングが終わっていたものは「embrace」、「同じドアをくぐれたら」、「太陽」の3曲です。そのうちパーソナルな曲だと公言している曲は、藤原がメンバーに手向けたと話す「同じドアをくぐれたら」のみです。

直井は10月9日生まれのてんびん座ですが、曲のモチーフになった天秤は直井に捧げたという意味もあったのかもしれません。

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