【BUMP】シリウスの公式情報と歌詞の意味-行き先を照らし続ける眼差しのシリウス-

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「シリウス」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味の考察、制作背景、MV情報などについてご紹介します。「シリウス」を聴く際に参考にして下さい。


参考

  • ROCKIN`ON JAPAN 2018年8月号
  • MUSICA 2018年5月号、8月号
  • CUT 2018年11月号
  • ZIP 2018年9月24日放送回

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BUMP OF CHICKEN「シリウス」の公式情報

BUMP OF CHICKEN「シリウス」の基本情報

タイトルシリウス
発売日2018年9月24日(11th digital)
作詞作曲藤原基央
完成時期2017年11月下旬 or 12月上旬
収録アルバムaurora arc(9th Album)
タイアップアニメ「重神機パンドーラ」

BUMP OF CHICKENの「シリウス」は11作目の配信限定シングルです。後に発売された「話がしたいよ/シリウス/Spica」(2018年11月14日発売)にトリプルA面シングルとして収録されました。

疾走感のある曲調でBPMは「190」。アニメ「重神機パンドーラ」のオープニング曲として書き下ろし。

前のシングル現在次のシングル

望遠のマーチ(10th digital)

バンプオブチキンのシリウスシリウス(11th digital)

話がしたいよ(25th single)

BUMP OF CHICKEN「aurora arc」のアルバム楽曲情報と制作背景へ

「シリウス」の制作背景

「重神機パンドーラ」のタイトルとイラストにハートを射抜かれた

藤原基央はアニメ「重神機パンドーラ」の主題歌の話が来た時に、アニメの設定資料集を貰い、そこにあった“重神機パンドーラ”というタイトルと、“半壊した街の景色に夕焼けを背負ったロボットのシルエット”のイラストを見て純粋にハートを射抜かれて、曲を書きたいと思い、主題歌のオファーを受けました。

重神機パンドーラのイラスト

“半壊した街の景色に夕焼けを背負ってデカめのロボットのシルエットだけがあって。それで『カッケー!』ってなって”

藤原基央
出典:MUSICA 2018.08

曲を書いたのはツアーPATHFINDERの最中で、2017年12月前後に完成しています。TVサイズ版とフル版でアレンジが異なります。



根源的なものと向き合って書いた

藤原の作る曲はツアー中に作るとライブの勢いが曲に反映されやすく、早く書きあがることが多いのですが、「シリウス」の場合はタイアップ曲なので簡単にはいきませんでした。

疾走感のある曲調はツアーの影響を受けていますが、非常に緻密で数学的なアンサンブルでできていて、ツアーの勢いだけではできなかったそうです。サビの転調や、曲のコード進行もいつものツアーの感覚ならやっていないことだったようです。

さらに歌詞の方もツアー中にも関らず、外側ではなく自分の内側の根源的なものと向き合う、内省的な内容になっています。



タイアップ-アニメ「重神機パンドーラ」-

アニメ「重神機パンドーラ」
原作河森正治、サテライト
監督河森正治
アニメーション制作サテライト
主題歌OP「シリウス」/BUMP OF CHICKEN

ED「Spica」/BUMP OF CHICKEN

タイトルの「パンドーラ」とはギリシャ神話に登場する人類最初のパンドラという女性が、あらゆる災いの詰まった箱を好奇心から開けてしまい世界に災いが飛び出してしまった。急いで箱のふたを閉じたので箱には希望だけが残ったという逸話に由来します。

パンドラの箱が開いてしまったような現代において、残された希望は何だろうと思った河森監督の考えが反映された作品になっています。

シリウスのMV情報

シリウスのMV情報
監督東市篤憲
撮影場所スタジオ撮影
制作A4A
出演BUMP OF CHICKEN

「シリウス」のMVはA4Aの東市篤憲監督が手掛けました。センターステージが無数の光の輪で囲まれたスタジオで、バンド初となるドローンによる撮影が行われました。

これは実際のドローンレースから着想得たアイデアで、ドローンは専門のスタッフが操縦しています。ドローンならではのスピード感や独特のアングルで撮られ、曲の疾走感とも非常にマッチしたMVになっています。



BUMP OF CHICKEN「シリウス」の歌詞の意味

「シリウス」タイトルの意味

シリウスの写真

〈シリウスとは?〉
シリウスとはおおいぬ座で最も明るい1等星の恒星で、地球から見える天体の中では太陽を除いて一番明るい恒星です。

「シリウス」というタイトルを付けた理由は一等星の放つ光の光量という部分から感覚的に出てきたもので、重神機パンドーラの世界観とは関係がありません。

つまり光量の比喩表現で付けられたタイトルです。

“タイトルはもの凄く感覚的だった。“シリウス”っていうのは光量の部分から出てきた言葉なんだけど”

藤原基央
出典:ROCK`IN ON JAPAN 2018.05

シリウスは明るい恒星という特徴から、昔から旅や航海で方角の目印の役割を果たしてきました。

楽曲の「シリウス」は道に迷った時に目印となる光が自分の中にあり、同時にそれが希望でもあるという意味を持っています。

「シリウス」の歌詞の特徴

一人称などが登場しない

「シリウス」の歌詞はバンプの楽曲の中でも非常に珍しく、歌詞の中に「僕」や「君」、「あなた」など、一切の一人称、二人称、三人称が使われていません。

藤原はシリウスを自分の根源的な部分と向き合いながら作ったと話しており、これは“内なる自分”“魂”など形の無い存在を表しています。

“「シリウス」、「Spica」、「望遠のマーチ」を作るときは、自分の心の井戸への素潜りみたいな行為をずっとやってた感覚があるんです”

藤原基央
出典:CUT 2018.11

また歌詞の最後の《おかえり》の歌声だけエフェクトが掛かっており、人ならざるモノである魂の声を表現したものだと思われます。

〈一人称二人称三人称が使われない楽曲〉
・firefly
・ほんとのほんと(「firefly」カップリング)

「シリウス」の歌詞で伝えたいこと

昔の人がシリウスを方角の目印としていたように、自分の行くべき道を照らす目印の光が自分の内側にあることを歌っています。

また、《勇気をあげる 鏡の前》という歌詞から分かるように、鏡に映るのは自分と向き合っている自分です。つまり自分自身と向き合う勇気をあげるという意味です。

私たちの内側にある眼差しのシリウス》は、あなたが旅立つのを見送り、あなたが道に迷った時はいつでも自分と向き合ってくれるのを待っているのです。

藤原さんはMUSICAのインタビューで「ただいま」や「おかえり」という言葉はよく使う言葉だけど、なにか根源的な意味を持っていると思うと話していました。

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