【BUMP】オンリーロンリーグローリーの公式情報と歌詞の意味‐終わりのその先の世界‐

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「オンリーロンリーグローリー」をインタビューなどの公式情報を元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味の考察、制作背景などについてご紹介します。「オンリーロンリーグローリー」を聴く際に参考にして下さい。

BUMP OF CHICKENのアルバム『ユグドラシル』の楽曲一覧へ


参考資料

・ROCKIN`ON JAPAN 2004年1月号、8月号、9月号
・トーキンロック!2004年no.46
・bridge 2004年SUMMER、2013年SPRING
・H(エイチ)2004年10月号

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BUMP OF CHICKEN「オンリーロンリーグローリー」の楽曲情報

BUMP OF CHICKEN「オンリーロンリーグローリー」の基本情報

タイトルオンリーロンリーグローリー(8th single)
カップリング睡眠時間
発売日2004年7月7日(シングル)
作詞作曲藤原基央
完成時期2004年4月12日
収録作品ユグドラシル(4th Album)
BUMP OF CHICKEN I <1999-2004>(Best Album)
タイアップなし

BUMP OF CHICKENの「オンリーロンリーグローリー」は通算8枚目のシングルです。初のオリコン1位を獲得し、アルバム『ユグドラシル』発売の1カ月前に先行してシングルCDとしてリリースされました。

プロデューサーのアイデアでシングル版(オリジナル)はイントロがギターのストロークから始まり、アルバム版は藤原のコーラスから始まるバージョン違いになっています

前のシングル現在次のシングル
バンプオブチキンのアルエのジャケット
アルエ(7th Single)
オンリーロンリーグローリーのジャケット
ロンリーロンリーグローリー(8th Single)
車輪の唄のジャケット
車輪の唄(9th Single)

「オンリーロンリーグローリー」の制作背景

長かった制作期間

この曲の歌詞が完成したのは2004年4月12日早朝の藤原基央の誕生日でしたが、曲のアイデア自体は「ロストマン」の作詞期間にすでにありました。しかしこの曲の歌詞を書こうとすると、アルバム収録のシングル以外の曲が生まれてきたので一旦、制作を保留していました。

「ロストマン」と同じ時期にすでにありましたね。この曲の詞を書こうとすると、違う曲の詞が出来たりとかして

藤原基央
出典:トーキンロック! 2004 no.46

「ロストマン」の制作期間が2002年1月~2002年9月頃なので、「オンリーロンリーグローリー」は少なく見積もっても1年半は完成までにかかっていますが、その間に他の曲を書いているので実質的な制作時間はかなり短くなります。

歌詞を書くために必要な経験

藤原自身2002~2003年の段階では「オンリーロンリーグローリー」の歌詞を書くには経験が足りなかったと話しているので、他の曲を書いていく中で作詞に必要なパズルピースを集めるような感じだったようです。

“なぜすぐ俺からこの詞が出てこなかったかっつうと、その段階の俺ではまだ足りない経験があったんですね”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09

パズルのピースが揃い、1行目の《そしてその身をどうするんだ》を書いてから最後まで書き上げるまではそれほど時間がかかっておらず、悩んで書いたわけじゃないので苦労したとは感じてないようです。

プリプロは先に終わっていた

この曲は歌詞のない状態でプリプロが行われ、2003年秋頃には終わっていました。

プリプロが終わった時点では歌詞が完成していなかったので、「オンリーロンリーグローリー」の作詞は再び保留になり、2004年4月12日に完成させることになります。

「オンリーロンリーグローリー」は「embrace」とか録ってる時にはもうあったんじゃないかな。去年の秋ぐらいにはプリプロはもう終わって

升秀夫
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09

ジャケットの撮影地

シングルのジャケットに使われた「BUMP」という標識はチャマがグアムで撮影したもので、“路面が凸凹しています”という意味の交通標識です。

オンリーロンリーグローリーのMV情報

オンリーロンリーグローリーのMV情報
監督番場秀一
撮影場所・ロケ地スタジオ撮影
出演BUMP OF CHICKEN

「オンリーロンリーグローリー」のMV(PV)はCGを駆使して制作され、放射線の描かれたアスファルトの上で4人が演奏する映像になっています。


BUMP OF CHICKEN「オンリーロンリーグローリー」の歌詞の意味

「オンリーロンリーグローリー」の制作秘話

変化した作詞方法

「ロストマン」の作詞に9カ月かかったことは有名な話ですが、それ以降に作った曲は順調に歌詞を書き上げています。藤原本人も「ロストマン」以降、書き方が変わったことを自覚していています。

“違う比喩の方法論を覚えたというか、引き出しが増えたっていう感覚はありますね”

藤原基央
出典:bridge 2004 SUMMER

「ロストマン」以前は、リスナー1人1人が曲の中に自分を当てはめることができる空席を用意してある曲が多くあったそうです。空席とは簡単に言えば聴いた人の歌詞に対する解釈です。

よりリスナーを信じれるようになった

しかし「ロストマン」ではその空席を用意しなかったにもかかわらず、リスナーが無理矢理にでも自分の席を設置して解釈してくれていることに藤原は気付きました。

つまりどれだけ個人的で難解な歌詞でもリスナーはちゃんと自分に当てはめたり、理解しようとして曲をちゃんと受け取ってくれることがわかり、リスナーを信じなければ書けないような歌詞も書けるようになりました。

“「オンリーロンリーグローリー」もこれは厳しいパスかもしれないけどお客さんは絶対にとってくれるっていう感覚がなければ書けなかったかもしれないです”

藤原基央
出典:bridge 2004 SUMME

〈MEMO〉
「ロストマン」の歌詞を完成させたことが藤原基央の作詞活動に大きな変化を与えました。以前は作詞に時間がかかった楽曲が多かったが、ロストマン以降は作詞作業が比較的スムーズに進んでいます。リスナーがちゃんと曲を受け取ってくれると信じれるようになったことが影響しています。

「太陽」の続きから始まる歌詞?

歌詞中には『ユグドラシル』に収録の「太陽」を彷彿させる言葉がたくさんあり、冒頭の歌詞は「太陽」の主人公が窓の無い部屋から出た後という説もあります。もしかすると楽曲「太陽」の《君のライト》は「オンリーロンリーグローリー」の《特別と名付ける為の光》なのかもしれません。

藤原自身も「太陽」は本当の意味で「オンリーロンリーグローリー」かもしれないと話しています。但し、「オンリーロンリーグローリー」は「太陽」の続きとは明言していないのでこれはリスナーの判断に委ねられます。

BUMP OF CHICKEN「太陽」の楽曲情報と歌詞の意味へ


「オンリーロンリーグローリー」の歌詞の内容

極限状態を書いた歌詞

この曲には《死んだ心》《選ばれなかった名前》《最果てなど無いと知る》など厳しい言葉が並んでいますが、藤原は「オンリーロンリーグローリー」で極限状態を描きたかったと話しています。

“たぶん全て極限状態を書きたかったんですかねえ”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09

終わりのその先の世界

この曲の歌詞は“心はもう死んでしまった”、“僕は選ばれなかったんだ”と自分で決めつけてしまっている状態です。

これはある種の“終わり”を意味します。自分の歩いてきた道が通ることのできない絶対的な壁に阻まれているといった絶望的な状況で《最果てなど無いと知る》と歌いたかったそうです。そして冒頭の《そしてその身をどうするんだ》に繋がります。

“過去はとりあえずおいといて「で、どうするわけよ?」っていうとこから始まるんですね。《そしてその身をどうするんだ》っていうのはそういうことです”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09

この曲は八方塞がりで絶望的な状況から始まる歌詞だったのです。そんな状況でも前に進もうとするのは心がどこまでも付いてくるからですね。

アルバムの集大成といえる楽曲

「オンリーロンリーグローリー」は歌詞を書こうとして乗車権とシングル以外のアルバムの曲が出来上がったという背景があるので、迷子、孤独、温もり、覚悟などユグドラシル期のテーマを詰め込んだアルバムの集大成といえる作品と言えるかもしれません。


BUMP OF CHICKEN「オンリーロンリーグローリー」のライブ情報

「オンリーロンリーグローリー」のライブ演奏記録

初披露日時初披露ライブ
2004年9月17日MY PEGASUS@Zepp Tokyo (東京都)

「オンリーロンリーグローリー」のライブ映像が収録されている作品

現在のところ「オンリーロンリーグローリー」のライブ映像が収録されている作品はありません。

ベストアルバム記念ライブのQVCマリンフィールドで演奏されているが、アルバム『RAY』の初回特典のQVCマリンフィールドのライブ映像には収録されていない。

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