voyagerとflybyの楽曲情報と歌詞の意味‐距離が離れても大切なものからは離れない‐

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「voyager」(ボイジャー)と「flyby」(フライバイ)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の基本情報や歌詞の意味の考察、制作背景などについてご紹介します。「voyager」と「flyby」を聴く際に参考にして下さい。

アルバム『orbital period』楽曲一覧へ

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voyagerとflybyの楽曲情報

基本情報

バンプオブチキンのボイジャーとフライバイの画像

タイトルvoyager(アルバム収録曲)
flyby(アルバム収録曲)
発売日2007年12月19日
作詞作曲藤原基央
完成時期2007年秋頃
収録アルバムorbital period(5th Album)
タイアップなし

BUMP OF CHICKENの「voyager」(ボイジャー)と「flyby」(フライバイ)はバンプのアルバム『orbital period』に収録されている楽曲です。

この2曲はアルバムのオープニングとエンディング用に作られた曲で、対になっており、伴奏はいっしょですが歌詞とメロディが違います。

タイトルの意味

ボイジャーの写真

「voyager」(ボイジャー)・・・1977年に打ち上げられたNASAの無人宇宙探査機「ボイジャー1号」のことで、藤原基央が生まれた1979年に木星に接近した。ちなみに藤原基央は木曜日生まれである

「flyby」(フライバイ)・・・接近飛行、接近通過のことを言い、惑星などに着陸せずに接近して通り過ぎながら画像撮影などをする飛行のこと
※辞書で調べると他にも意味がありますが、藤原はこの意味で使用しています(インタビューより)

もともとは藤原の中でこの2つの単語は「ボイジャーがフライバイ(接近通過)しました」という一つの現象、ひとつの意味として捉えていました。

しかし「ボイジャーはボイジャー」で「フライバイはフライバイ」だと思った瞬間に2つは一対(いっつい)になると思ったそうです。

ボイジャーはボイジャーで、フライバイはフライバイだなって思った瞬間に、「ああ、これ、一対になるわな」みたいな

藤原基央
出典:bridge 2008 WINTER

曲のテーマ

28年周期とは?

この2つの楽曲を理解するために「28年周期」というものを知らなくてはなりません。

ルバム『orbital period』は公転周期という意味で[6年 → 5年 → 6年 → 11年]トータル28年をひとつの周期として自分の生まれた曜日に戻ります。例えば藤原基央の誕生日は1979年4月12日木曜日生まれなので、6歳 → 11歳 → 17歳 → 28歳の誕生日の時に4月12日が再び木曜日になる年である。

出典:ゆずがたり

28年でひとつのサイクルを終えると再び[6年 → 5年 → 6年 → 11年]の28年周期が始まります。この28年かけてひとつのサイクルを一周するという「28年周期」が『voyager』と『flyby』のテーマになっています。



制作背景

アルバムのオープニングとエンディングの為に書かれた曲

「voyager」と「flyby」はアルバム『orbital period』に、オープニングとエンディングを付けようという理由で制作されました。アルバムの為に制作された楽曲はこの2曲だけです。

バンプオブチキンのアルバムオービタルピリオドのジャケット
きっかけは、アルバムのレコーディングをしている時にプロデューサーから「藤原、オープニング、エンディング、いつもみたいにつけるんだろ?」と訊かれたことでした。

オープニングとエンディングが収録されているアルバム
アルバム曲名
リビングデッドのジャケット
THE LIVINGDEAD(2nd Album)
「Opening」、「Ending」
バンプオブチキンのアルバムユグドラシルのジャケット
ユグドラシル(4th Album)
「asgard」、「midgard」
バンプオブチキンのアルバムオービタルピリオドのジャケット
orbital period(5th Album)
「voyager」、「flyby」

いつか形にしたかったアイデア

プロデューサーの意見で作られることになった「voyager」(ボイジャー)と「flyby」(フライバイ)ですが、アイデア自体は昔から藤原の中にあり、いつか形にしたいと思っていたそうです。

ボイジャーっていうモチーフと、フライバイっていうモチーフは、絶対いつか、何かの形で歌いたいなと思ってた

藤原基央
出典:bridge 2008 WINTER

歌詞をはじめ、曲で使われているアルペジオも昔からあったアイデアです。

アルペジオは1弦から4弦までの4本の弦で構成されていますが、1本ずつバラバラに録音する方法も前から試してみたかったそうです。

このアルペジオは昔からメンバーの前でも弾いてたりしたので升や直井は曲を聴いたときに懐かしさを感じたそうです。



voyagerとflybyの歌詞の意味

歌詞の内容

機械を表現するカタカナ表記

“〇月✕日
本日モ通信試ミルガ 応答ハ無シ
ワタシハ ドンナニ離レテモ イツモアナタノ 周回軌道上”

voyager/BUMP OF CHICKEN

「カタカナ表記」の歌詞が印象的ですが、「ボイジャー1号」がこの言葉を発していている表現だと思います。いかにもロボットが話す言葉です。

イントロから流れる電子音は通信する為の信号音のように感じます。そして日付がわかっていない様子からも、宇宙を長く旅する無人衛星を見事に表現しています。

作り手から離れていくボイジャー

ボイジャーは生み出した人の願いを乗せて宇宙に飛び出すのですが、作った人の記憶までは乗せることはできません。だから《記憶に置いて行かれても》と表現しています。

この“ボイジャーとそれを生み出した人”との間に距離があることが、この2曲のキーワードになっています。

このキーワードは「話がしたいよ」の歌詞でも重要なテーマになっています。

「話がしたいよ」の楽曲情報と歌詞の意味へ

藤原基央にとっての28年周期とは?

flyby(接近通過)に込めた意味とは?

「flyby」の「voyager」との比べての特徴は何と言ってもサビから急にアッパーになるところでしょう。

《応答願ウ》と喉を震わせて叫ぶように歌っています。これがまさに「接近通過」しているところだと思います。「こんなに近くに来たよ、気づいてくれ!」と言わんばかりに叫んでいます。

この「接近通過」が28年周期の生まれた日と同じ曜日に戻ってきたことを表しています。そして28年に一度の大接近が終わると再び次の28年周期が始まる。

藤原はその28年という時間の中にメンバー4人でいられたという事実に感動したそうです。28年一緒にいて、それぞれ生きていた。28年で一つの終わりを迎え、そしてまた新しい28年周期が始まる。

今を大事にしてきたバンドですけども。とは言え、圧倒的にその28年ていうのを経過した上での今があるっていう、その圧倒的感というか。「一緒にいたんだね、俺たちね」みたいな

藤原基央
出典:ROCKIN`IN ON JAPAN 2008.02

時間的に遠くへ行っても大切なものからは離れていない

BUMP OF CHICKENというバンドを続けれてこられたことと、メンバー4人が一緒にいられたことを、28年という時間に肯定された気持ちになったんだと思います。

きっと藤原にとって28年周期というものは記念日のようなものだったんだと思います。28年の中で自分の命が誕生し、仲間と出会って、音楽を好きになって・・・そういった体験や出来事が28年経った後も続いている。

つまりどれだけ時間的に遠くに行っても大切なものからは離れていないという圧倒的な事実が藤原をはじめメンバー4人に感動を与えたのだと思います。



voyagerとflybyで伝えたいこと

心の周回軌道上とは?

アナタハドンナニ離レテモ 君ノ心ノ周回軌道上

「voyager」「flyby」/BUMP OF CHICKEN

ボイジャーは衛星ではないので円を描くような軌道ではなく、地球から離れるように飛んでいます。

ボイジャーが物理的に地球から遠く離れても《アナタノ周回軌道上》だと言えるのは、心は地球に住む「アナタ」からは離れていないということでしょう。

なぜ心の周回軌道上にいると言えるのか?

人工衛星はなぜ落ちずに地球の周りを回っていられるのか?

それは「地球の引力」「物体が遠ざかる力」が釣り合っているからです。この真逆のベクトルが釣り合うことで衛星は同じ軌道上を回ることができます。

「衛星が落ちずに周るしくみ」

ボイジャーは衛星ではないので、ただ遠ざかるだけですが、『地球の引力』の代わりに働いている力が『大切なものを思う気持ち』です。

つまり『遠ざかる力』と『大切なものを思う気持ち』が釣り合っている状態なので、物理的には周回軌道上にはいませんが、心だけは大切なものの周りを周回しているのです。だから歌詞の最後に《心の周回軌道上》と言っているんですね。

「心の周回軌道」

応答が返ってこなくても、アナタのことを忘れなければ心はずっと繋がっていられるんです。この「忘れなければ大丈夫」という考えはいろんな楽曲に表れています。

結局のところ『orbital period』という28年周期というのは心の周回軌道だったのです。

歌われてるモチーフの衛星は、どうやら遠くまで飛んでってるみたいで。だから周回軌道とは言っておきながら、直線的に地表から離れていってる。だから周回軌道ではないところを飛んでる。けど、周回軌道上って言ってます。それがorbital periodなんだろうなと

藤原基央
出典:ROCKIN`IN ON JAPAN 2008.02



voyagerとflybyのライブ情報

ライブでの演奏※flybyのみ

初披露日時初披露ライブ演奏頻度
2008年5月17日ホームシップ衛星@さいたまスーパーアリーナ (埼玉県)

「voyager」はライブで演奏されておらず、「flyby」は演奏されたことはあっても、ほとんど披露されたことはありません。

ライブ映像が収録されている作品

現在、「voyager」と「flyby」が収録されているライブ映像作品はありません。

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