BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「宝石になった日」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味、制作背景、MVなどについてご紹介します。「宝石になった日」を聴く際に参考にして下さい。
BUMP OF CHICKEN「宝石になった日」の公式情報
BUMP OF CHICKEN「宝石になった日」の基本情報
タイトル | 宝石になった日 |
発売日 | 2016年2月10日 |
作詞作曲 | 藤原基央 |
完成時期 | 2015年3~7月の間 |
収録作品 | Butterflies(8th Album) |
タイアップ | 「カルピスウォーター」CMソング |
BUMP OF CHICKENの「宝石になった日」はアルバム『Butterflies』に収録されている楽曲です。
アルバムリリース後にカルピスウォーターのCMソングに起用されました。
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「宝石になった日」の制作背景
深夜に呼び出される藤原
藤原基央と他のメンバー3人は別のスタジオで作業をしていました。
藤原さんは一人で『宝石になった日』の作業を、他メンバー3人は「GO」のアレンジを別々のスタジオで進めていました。
藤原は自分の作業が終わりメンバーのグループLINEを確認すると
とメッセージが入っていました。
と藤原は返事をして帰宅。
藤原の返したLINEが既読になっていたので、なにか返事がきそうと思っていたので待っていましたが30分経ってもメンバーからLINEはきませんでした。
(これはこないな・・・)
と思った藤原さんは風呂に入ろうと服を脱ぎ全裸に近い状態になった、その時でした!
夜中の3時でした。しかも全裸(笑)
藤原基央がメンバーのいるスタジオに着いて『GO』のアレンジをしていると、タイミングよくさっきまで藤原さんが別のスタジオで作業していた『宝石になった日』の音源が届いたのでした。
「宝石になった日」の曲の解説
クールだけど熱い曲
藤原は『宝石になった日』を「クールなんだけど熱い曲」だと話しています。
それは淡々とした中に静かな熱があり、一度それに気付いたらマグマのようなものを感じてほしいということでした。
これは昔のバンプにはできない試みで、昔だったらもっとストレートに熱い曲になっていたが、打ち込みによる表現があったこそできた音です。
たとえるなら、水彩画のような、色彩のにじんだところを表現していくような。緑なのか青なのか、どっちかもわからない。その奥に黄色があるかもしれない・・・・・っていうような中で、この曲を表現していくっていう
藤原基央
出典:MUSICA 2016.03
カルピスウォーターのCMソングに起用
2016年に永野芽郁が出演する「カルピスウォーター」のCMソングに起用されました。バンプがCMとタイアップするのは『涙のふるさと』以来で約10年ぶりのことになります。
CMは「登場編」と「青春と花火編」の2バージョンあります。上の動画の「青春と花火編」は、高校生活の思い出にみんなで花火を見に行き、忘れられない思い出を作るという内容で『宝石になった日』の曲のイメージにピッタリです。
宝石になった日のMV情報
監督 | 東市篤憲(A4A) |
撮影場所‣ロケ地 | ・渋谷区(東京都) ・BFLYのライブ会場 |
出演 | マーシュ彩、松本穂香、BUMP OF CHICKEN、他 |
収録作品 | YouTubeで視聴可能 |
「宝石になった日」のMVは、STADIUM TOUR”BFLY”のライブ映像と深夜の渋谷で撮影された映像を組み合わせて、“日常とライブ”というコントラストを作り上げています。
MVの内容は、マーシュ彩演じる女の子が友達とバンプのライブに行き、帰るまでを描いており、ライブの喜びと終わってしまった切なさという対比になっています。
BUMP OF CHICKEN「宝石になった日」の歌詞解釈と意味
雨と稲妻の意味
冒頭の歌詞から解釈していきますが、《世界を洗った》という表現は逆に考えると「それまで世界は汚れていた」という意味になります。
それから《稲妻》という言葉ですが「一瞬、刹那」だけでなく、あまりにも強く輝いたと言っているので「眩しすぎて凝視できないもの」を表していると思います。つまりこれは“夢や希望”ですよね。
『うわ、眩しい。すっげぇ眩しいんだけどさ、消えてくんない?』
と思うくらい眩しいのが夢だと思うし、
『いや、あれを見てないと俺の生きてる意味がないとか、存在自体が怪しくなってくる。だから俺は目がつぶれてもいいから、あれを見るぞ』
っつうのが夢を見てる人だと思うし、夢を見てる人ってそんぐらいかっこいい人だと思うし、そんぐらい覚悟してる人だと思うし、そんぐらいリスクを背負ってる人だと思う藤原基央
藤原基央名言集より
この二つをまとめると“夢ができたから世界の見え方が変わった”と考えることができます。それまで世界は不公平だ、お金や名誉を持っているやつが成功できるんだとか、今まで汚れて見えていた世界が夢を持ったことによって急に輝きだしたんですね。
藤原基央の名言でも同じようなことを言っています。
要は自分次第なんですよ 世の中君の映るように映る
君の感じるように 感じる 君が変えれば変えるほど変わってく藤原基央
「ハルジオン」のインタビューより
それと同時に夢までの道のりが困難で遠い存在になったというわけですね。
すごいと思ったのが「雨」と「稲妻」に二重の意味を持たせていることです。
【雨】
⇓
世界を洗った(ポジティブ)
夢までの道のりを困難にした(ネガティブ)
【稲妻】
⇓
眩しくて凝視できない(ポジティブ)
夢までの道のりを困難にした(ネガティブ)
藤原さんはサラッとすごい表現方法使ってきますね、物事には必ず良い面、悪い面があり、そのどちらを見るかなんですよね。
君の知らない世界
増えていく 君の知らない世界 増えていく 君を知らない世界
君の知ってる僕は 会いたいよ
「宝石になった日」
「君」を“夢”と考えるなら、夢を叶える道を進んでいないといったところでしょうか。《忘れたように笑っていても》と言っているので、眩しすぎる夢から目を逸らして日常を過ごしていることがわかります。
夢を持ちながらも、周りと同じ日常に流されてしまっている。しかし《大きな寂しさ》があるから君(夢)に会いたいと思える、必死に日常に抗おうとしている。
君(夢)の足跡は雨に流されたとしても、言葉の隙間(心が生んだ言葉になる前の気持ち)の中には君の足跡が残っている。
《掌の下》の意味、歌詞の最初にあるように掌にはなんにもありません。なので掌の下という言葉の意味はなにも無い空間でその透明な場所に君の足跡が残っているということだと思います。
宝石になった日とは?
『GO』の歌詞で《心が宝石を生む度に》というフレーズからわかるように、宝石とは心から生まれたキラキラした輝かしい思いです。
ちなみに宝石って頑丈で壊れないってイメージがあると思いますが、ダイヤモンドでさえハンマーで叩けば簡単に砕けてしまいます。
そもそも壊れないものだったら大切にしないですからね、壊れるかもしれない、無くなるかもしれないという思いが尊さを生んでいるんですね。
なので藤原さんが「宝石」という言葉を選んだ理由は頑丈さよりも、純粋に“輝き”というところが大きいと思います。
それから「宝石」という“漢字の構成”も大きな理由だと思います。漢字の構成については、足が重いと書く「踵」、二つに分かれた後と書く「二分後」、今の心を記すと書く「記念」といった感じで、藤原さんはよく漢字の構成部分に着目して言葉を選びます。
「宝石」という漢字は「宝」+「石」で成り立っています。そして「石」は「意志」と読み方が一緒です。これはダジャレでもなく、意志という言葉は石のように固いものであるという意味が込められています。
例えば「髪」という漢字は、頭から神聖なエネルギーが入ってくると考えられていたので「神」を表しているんですね。
というわけで「宝石」とは自分の意志というものは宝のように尊いものという意味が込められているのではないかと思います。
おまけで「宝」という感じは「うかんむり宀」+「玉」で構成されています。
うかんむりの「宀」の部分は屋根や家屋を意味しています。(weblio辞書より)
そしてその下に「玉」があります。玉と言えばバンプファンなら《ガラス玉》を思い浮かべますよね?
まとめると「宝」という漢字は、ガラス玉を奪われないように守っているということになるのです。
“ガラス玉ひとつ落とされた
(中略)
奪われないように守り続けてる”
「カルマ」
深読みしすぎと思われそうですが「宝石」という言葉はアルバム『Butterflies』に2曲使われており、単純に付けた言葉ではないと思います。
BUMP OF CHICKEN「宝石になった日」のライブ情報
「宝石になった日」のライブでの演奏記録
初披露日時 | 2016年4月9 日(土) |
初披露ライブ | STADIUM TOUR 2016 “BFLY”@京セラドーム大阪 (大阪府) |
演奏頻度 | – |
演奏されたライブ/ツアー |
「宝石になった日」のライブ映像が収録されている作品
収録作品 | 備考 |
BFLY | 本編6曲目に収録。 |
PATHFINDER | 本編14曲目に収録。 |