BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「サザンクロス」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味、制作背景などについてご紹介します。「サザンクロス」を聴く際に参考にして下さい。
参考資料
- MUSICA 2014.03、2014.04
- ROCKIN`ON JAPAN 2014 April
- B-PASS 2014.04
BUMP OF CHICKEN「サザンクロス」の公式情報
BUMP OF CHICKEN「サザンクロス」の基本情報
タイトル | サザンクロス |
発売日 | 2014年3月12日 |
作詞作曲 | 藤原基央 |
完成時期 | 2010年12月28日 |
収録作品 | RAY(7th Album) |
タイアップ | なし |
BUMP OF CHICKENの「サザンクロス」はアルバム『RAY』に収録されている楽曲です。
「サザンクロス」の制作背景
2010年に書いた最後の曲
曲が完成したのは年末の2010年12月28日で、「2010年のうちに1曲書きたい」という気持ちで書き上げました。ちなみその少し前の12月15日には6枚目のアルバム『COSMONAUT』がリリースされています。
「サザンクロス」のタイトルの意味
サザンクロスとは南十字星
南十字星
【サザンクロス】・・・「南十字星」は南半球で見える星で、昔の人は北極星と同じように航海する時に海の上で迷わないように目印としていました。
作曲者の藤原基央はサザンクロスは見たことはないと答えています。
直観的に付けたタイトル
南十字星の名を持つタイトルですが、作曲者である藤原基央は南十字星を見たことはありませんでした。
MUSICA 2014年4月のインタビューで、メンバーや鹿野淳からタイトルの由来について質問攻めされましたが、藤原は作曲した当時の自分に訊いてみないとわからないと答えています。
歌詞の字面を見て感じるものがあったそうです。「不安だったり勇気を出そうとしたのかも」とも答えています
「サザンクロス」のレコーディング
バンド内で流行していたリズムの移り変わり
COSMONAUT期では、2拍目と4拍目にアクセントが来ないリズムがバンド内で流行っていて、RAY期に入ると、四つ打ちで2拍目と4拍目にアクセントが来るリズムが流行りました。
「サザンクロス」は2010年12月28日に作られた曲なので、COSMONAUT期からRAY期へと流行が移り変わる時に作られています。
2拍目、4拍目のアクセントで聴かせていこうっていう気持ちも少し出始めてる。流行が移り変わる狭間にいる曲っていうか
藤原基央
出典:MUSICA 2014.04
一口坂スタジオでのラストレコーディング
一口坂スタジオ/出典:Gooブログ
『サザンクロス』は東京の千代田区にある「一口坂スタジオ」にてレコーディングされました。
多くのアーティストに長年愛されてきた歴史あるスタジオでしたが、2012年春をもって閉鎖することになりました。
バンプも長年メインのホームスタジオとして慣れ親しんだ場所であり、サザンクロスのレコーディングを最後に、母校ともいえるスタジオに別れを告げました。
BUMP OF CHICKEN「サザンクロス」の歌詞の意味
BUMP OF CHICKENの4人で結んだ絆
なぜサザンクロスなのか?
南十字星/出典:天体写真の世界
上の写真は「南十字星」ですが、4つの星が交わり合って星座を作っています。
北極星ではなく南十字星をタイトルに選んだ理由は、星の数をBUMP OF CHICKENのエンブレムの星に重ねたからだと思われます。
BUMP OF CHICKENのエンブレム
バンプのエンブレムにある4つ星は藤原基央、直井由文、増川弘明、升秀夫の4人を表しています。ロゴも南十字星と星の並びがいっしょで星同士を結ぶと十字になります。
なので『サザンクロス』というタイトルはBUMP OF CHICKENのメンバー4人で結んだ絆を象徴するものであると考えられます。
BUMP OF CHICKENのロゴ・エンブレムの意味や歴史
バンドの現在地を確認する唄
南十字星が位置を知るための目印としての役割を果たしているように、この曲も過去から未来へと続く時間の中で今という現在地を確認させてくれていると思います。
星を見ることは、過去の光を見ることでもあり、《どんな今を生きていますか》というサビのフレーズは「過去の自分」が「未来の自分」へ向けて送っているメッセージだということがわかります。
過去がくれる勇気
COSMONAUT期の後半にできた楽曲には「宇宙飛行士への手紙」や「beautiful glider」など、過去がくれる勇気というテーマを持ったものが多く存在します。やはりこの曲にもその名残があります。
おそらくバンドが次の新しいドアを開くために、前に進む勇気が欲しかったのだと思います。
不安だったり、勇気を出そうとしていたり、そういう感じなんでしょうね
藤原基央
出典:MUSICA 2014.04
尖っていた頃のバンプ?
余談ですが、“言葉を選んで間違えて、嫌われてないことを祈ってる様子”は昔のライブで暴言を吐いて尖っていた頃のバンプを表しているように思います。
BUMP OF CHICKENが尖っていた若かりし頃のエピソード
サザンクロスで伝えたいこと
4人で結んだ絆を忘れずに進んでいく
BUMP OF CHICKENの4人/出典:girlschannel.net
「サザンクロス」はCOSMONAUTをリリースした直後に書いた曲で、バンドとしては次のステージへ移り変わる時期でした。
《さよならを言った場所》とは「変化する前の自分」のことなのでしょう。今までのやり方とはお別れをして次に進んで新しい音楽を作っていく。だけど音楽に対する本質的な信念は守っていく。それが《約束》なのでしょう。
「サザンクロス」は、どれだけ物事が変わっていこうと、本質を見失わずに4人で音楽を続けていくというメッセージが込められていると思います。
星を読み、現在地を確認して、心の声に従って前に進んでいく。
『サザンクロス』はBUMP OF CHICKENという旅人が、音楽の世界で迷わないように目印として機能している曲だと思います。
BUMP OF CHICKEN「サザンクロス」のライブ情報
「サザンクロス」のライブ演奏記録
初披露日時 | 2014年4月5日 |
初披露ライブ | WILLPOLIS 2014@幕張メッセ 国際展示場 9~11ホール (千葉県) |
演奏頻度 | |
演奏されたライブ/ツアー | WILLPOLIS 2014 |
「サザンクロス」のライブ映像が収録されている作品
収録作品 | 備考 |
WULLPOLIS 2014 | 本編4曲目に収録。 |