【BUMP】Spica(スピカ)の公式情報と歌詞の意味-リスナーとの絆を歌った曲-

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「Spica」(スピカ)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味の考察、制作背景などについてご紹介します。「Spica」を聴く際に参考にして下さい。


参考

  • MUSICA 2018年5月号、8月号
  • ROCKIN`ON JAPAN 2018年8月号
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BUMP OF CHICKEN「Spica」の公式情報

BUMP OF CHICKEN「Spica」の基本情報

タイトルSpica(25th single)
発売日2018年11月14日
作詞作曲藤原基央
完成時期PATHFINDER終了後
収録作品
タイアップアニメ「重神機パンドーラ」エンディング曲(2話から)

BUMP OF CHICKENの「Spica」(スピカ)は25枚目のシングル「話がしたいよ/シリウス/Spica」に収録されている楽曲です。

PATHFINDERのツアーファイナルで藤原基央による1コーラス弾き語りによって初披露され、曲名が発表されるまでの間は「いってきますの唄」という愛称でファンの間では浸透していました。

前のシングル現在次のシングル
バンプオブチキンのシリウス
シリウス
バンプオブチキンのスピカ
Spica(25th single)
バンプオブチキンのオーロラ
Aurora

BUMP OF CHICKEN「aurora arc」のアルバム楽曲情報と制作背景へ

「Spica」の制作背景

「Spica」は「シリウス」の後に制作されましたが、シリウスが内省的で自分と向き合って書かれた曲だったので、Spicaは外向きで音楽が楽しいという気持ちで書かれました。

ゴスペルを意識した曲になっていて、藤原の音楽の根源的な部分が表われた楽曲になっています。

Spica制作の流れ

2017年
12月頃シリウスが完成し、Spica制作開始
2018年
1月11日~18日ツアーの合間にスタジオに入り1番のデモ音源制作
1月下旬藤原基央インフルエンザ罹患の為、制作一時休止
2月11日たまアリで「Spica」ワンコーラス弾き語り
3月17日、18日マリンメッセ福岡で「Spica」ワンコーラス弾き語り
4月BUMP OF CHICKEN長期休暇
4月~6月「Spica」フルコーラス完成



完全打ち込みよるドラム

「Spica」は本来バンドサウンドでアレンジする予定でしたが、プロデューサーの意見で「ドラムは打ち込みで作ったデモ音源のままがいい」ということで打ち込みのままになりました。

後に升と藤原の二人でパーカッションを叩いた生の音が追加されています。

打ち込みが良い悪いの話の前に、いきなり決断を迫られたのがね。でもレコーディングを進めていく中で曲がそう呼んだことはだんだんわかってきて、それで完全に打ち込みっていう初めての手法になったんだけど、今はこれでよかったんだって思ってます

升秀夫
出典:MUSICA 2018.05

藤原のひとり遊びから生まれたゴスペルコーラス

《どんなドアもせーので開ける》というフレーズの後にゴスペル調のコーラスが入っています。

これは藤原が早くデモを完成させて時間が余ったので、プロデューサーが来るまでの暇つぶしで自分のコーラスを一人で多重録音して遊んでいました。

プロデューサーには「すごくいい」と言われましたが、最終的には一人の合唱では歌詞の物語と合わないということで、メンバー全員での合唱という形になりました。

SpicaのMV(ミュージックビデオ)



BUMP OF CHICKEN「Spica」の歌詞の意味

Spicaの意味

スピカとはおとめ座のなかでも1番明るい恒星としてしられています。シリウスは冬の大三角の一つであるのに対してSpicaは春の大曲線のひとつです。

元々は別なタイトルを考えていましたが、もっと適切な言葉はないかと考え思いついたのが、複数の星が集まってできた連星である『Spica』でした。

5連星スピカ

複数の星がまとまってひとつの輝きになって見えるのが連星で、スピカはそれだっていうのを知ってて。で、なんかいいなと思って。

藤原基央
出典:MUSICA 2018.03

聴いてくれる人が悪者でも関係ない

汚れても 醜く見えても 卑怯でも 強く抱きしめるよ

Spica/BUMP OF CHICKEN

昔、藤原基央のコラム「Fujiki」でこんな質問がありました。

ふじき第35回

Fujiki第35回より

ファン

バンプを好きな人に悪い人なんていないと思いませんか?冗談抜きで良い人しかいませんよね?

藤原

ごめんね、悪い人がいないなんて思いません。あなたが今後もし人を殺すだの騙すだのして、自分を悪い人だと思ってしまってもライブに来てほしい、CDを聴いてもらいたいです。アンタの善悪なんてどうでもいい、僕に必要なのは「良い人」じゃなくて「聴いてくれる人」です

この藤原の回答はSpicaの歌詞そのままです。

要は「君がどんな人でもいい、バンプの曲さえ聴いてくれれば」ということになります。藤原さんの気持ちは今も変わらず、聴いてくれた人の手は掴むという思いで曲を作っています。


手と手の繋ぎ目とは?

藤原はツアー中に曲を作るとライブの気持ちが出てしまうと話していますがこの曲もそうです。

PATHFINDERのツアーで多くの人が印象的だったと話す“歌詞変え”、あれは藤原が「感じたことはその時に伝えたい」という思いが歌ってる時に出てしまうそうです。

新木場スタジオコーストで突如話した『ダイヤモンド秘話』、そしてその時の感情で演奏してしまった『Spica』。

《伝えたいこと言えないまま 消えたらと思うと怖くなって》このフレーズはライブでの藤原の気持ちをそのまま表しているように思います。

気持ちが消えないうちに歌に乗せて想いを届ける、直接言葉で伝えないところが《下手なんだろう》という彼の不器用さを表しています。

《手を取った時 その繋ぎ目が 僕の世界の真ん中になった》手を取った時とはお客さんが反応を返してくれた時のことだと思います。

藤原はZIP!で「リアクションがダイレクトに返ってくる瞬間が、自分たちのやっていることの意味がわかる時間」だと話していました。

“だから生きてきたと思える”まさにスピカの歌詞はライブの気持ちを反映した曲だと言えます。

画像:bumpofchicken.com

臆病ながらも勇気を出して、音楽を届ける藤原基央の歌声は歌詞の通り鳥になって観客である《君》に届いています。ステージから見た観客の姿はスピカのようにいくつもの光が集まってできた連星に見えたはずです

藤原基央の帰る場所

藤原基央の写真画像:bumpofchicken.com

BUMP OF CHICKENの音楽はそれを聴いてくれる人がいて初めて意味を持ちます。だからどこへ行ったとしても帰ってくる場所はそれを受け入れてくれるみんなが待っているステージの上なのです。

「ライブ楽しい!音楽最高!」みたいな、俺がツアー中の生理そのままスタジオに行って、「俺は音楽やっててよかったな」みたいな、そういう気持ちだけでギターを持って

藤原基央
出典:MUSICA 2018.08

昔、藤原はステージに立つことは処刑台の上に立つ気分だと話していました。それだけ自分の作った音楽や演奏がどう評価されるのか不安で仕方なかったのだと思います。

それがPATHFINDERのツアーでは久しぶりに訪れた会場でも現地のお客さんが「おかえり!」と暖かく迎えてくれて、ステージが自分の帰って来られる場所と思えるようになったのでしょう。



BUMP OF CHICKEN「Spica」のライブ情報

「Spica」のライブでの演奏記録

初披露日時初披露ライブ
2018年2月11日

TOUR 2017-2018 PATHFINDER@さいたまスーパーアリーナ (埼玉県)

「Spica」の収録されている映像作品

タイトル備考

PATHFINDER
本編のアンコール2曲目「流星群」が終わった後、そのまま待っていると「Spica」の演奏が始まる。

※チャプター選択不可

PATHFINDERツアーファイナルで「Spica」を初披露

「Spica」は2018年2月11日のバンド結成22年となるPATHFINDERのツアーファイナル・さいたまスーパーアリーナで初披露されました。

アンコール曲「流星群」が終わると藤原は「みんな時間まだ大丈夫?」とお客さんに訊ねた後、プロデューサー、メンバーに確認を取り「Spica」をワンコーラス弾き語りで披露しました。

本来演奏する予定ではなかったのでメンバーも驚いていましたがその時の感情でやってしまったそうです。メンバーもその日がSpicaを聴くのが初めてで、曲を覚えてやろうと耳を立てていたそうです。

マリンメッセ福岡で間違えて2カポで演奏

マリンメッセ福岡・振替公演1日目で「Spica」披露した時に、藤原は前曲の「embrace」のままカポをつけてギターを演奏してしまったので2カポでキーが高いまま歌うというハプニングが起こりました。(ポンツカ2018.04.29より)

Spicaを弾き語りした藤原の心境

あとがきになりますが、PATHFINDERツアーファイナルでSpicaを弾き語りによって披露した藤原さんですが、実はこれ普通ならあり得ないことなんです。

なぜなら藤原さんをはじめバンプは披露できるレベルの演奏ができない場合はライブではやってこなかったからです。この理由で「firefly」はライブでの演奏を見送っています。

fireflyの楽曲情報はこちら

但し、「衝動でやってもいいと思える曲」と「ちゃんと構築しなきゃいけない曲」という暗黙のルールがあるようで、「Spica」は衝動でやってもいい曲だったのかもしれませんが、いずれにせよ衝動で演奏することは珍しいことに変わりはありません。

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