BUMP OF CHICKEN「fire sign」はアルバム『ユグドラシル』に収録されている楽曲です。
インタビューなどでは触れられていませんがライブで増川弘明さんが「この曲は藤原が誕生日にプレゼントしてくれた曲です」と発言したそうです。
当時のヒロさんはバンドを脱退するか悩んでいたなどいろいろな噂がありました、そして歌詞からも「迷い」や「諦め」などをイメージできます。
では雑誌のインタビュー記事や歌詞から増川さんについてのお話をしたいと思います。
※この曲は新しくまとめた記事があります
BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「fire sign」(ファイアサイン)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味、制作秘話などについてご紹介します。「fire sign」を聴[…]
楽曲解説
ROCKIN`ON JAPAN2004年09月号のインタビューによると制作期間中、藤くんはメンバーとは疎遠になっていたそうで、個人レベルでいろいろあったと話しています。
チャマは「なぜか曲が出来た日にいなかったです。僕覚えてないんですけど」と話していて、少し旅に出ていたと発言しています。
なんだか内容をはぐらかされている感じがしますね、そこまで昔のことでもないし、ましてや旅に行っていたのに内容を覚えていないというのは不自然すぎます。
というのも曲に対してリスナーが余計な先入観を持ってほしくないという想いがあるからなんでしょうね。
増川さんは「embrace」と「同じドアをくぐれたら」のレコーディングに参加していません。一説によると藤原さんにレコーディングに参加させてもらえなかったそうです。
ヒロはなぜ脱退しようとしたのか?
ネットではいろんな話が挙がっています。
「ヒロの結婚」「ギターが下手」「大学のこと」などありますが、どれも本当のことっぽい気がしますが一番の理由は「ギターが下手」ということでしょう。
バンプファン以外からも指摘されるほど、ヒロのギターの未熟さは広く知れ渡っているみたいです。
同時に「ユグドラシル」の制作期は「曲の求める姿を最大限に出す」というテーマを掲げ音楽を作ろうとしていました。それまでは「自分の出したい音を出す」という感じでしたが、「曲の求める音楽」にするためにメンバーはこれまで以上のスキルやアイデアが要求されました。
メンバーそれぞれが自分の楽器と向き合い、藤くんからもダメ出しをされて、チャマ、ヒデちゃんはなんとか曲の望むレベルに達することができましたが、ヒロは大学やプライベートのことがあったせいか練習ができずスキル不足でした。
なので藤くんはヒロを「embrace」「同じドアをくぐれたら」のレコーディングに参加させることができませんでした。
ギターのスキル不足とプライベートの出来事、大学のことが重なってバンド脱退を悩んでいたんだと思われます。
歌詞解釈
《誰かの為に生きる》という想いの旗を支えてきたが、そこに自分の笑顔がなかった。
自分を押し殺して、他者の為に生きているようすがわかります。そもそも旗は目印ですよね、それを目印にして進むべきなのに、支え続けているということは、前に進まずその場所に居続けることがわかります。
ヒロに当てはめるなら、ギターを練習せずに前に進もうとしなかったということですね。
《ここに居場所は無い》と言いながら旗を支え続けている、そして最後に旗を引き抜こうとする。
《引き抜こうと決めた人がいる》このフレーズだけ見てしまうとネガティブが意味に思えてしまいますが、最初からの文脈を見ると、前に進むために旗を引き抜くことは必要なことだとわかります。
藤くんはヒロに何を伝えたかったのか?
以上のことから、藤くんの想いを読み取ると、
「BUMP OF CHICKENの為じゃなくて、自分の為に生きろよ」
という増川さんに向けたメッセージが込められているのだと思います。
バンプの為に音楽をやってきた増川さんは自分の為に生きるという大事なことを忘れていた。
ギターが下手だからバンプの為に頑張るのではなく、自分がどうしたいのか考えてほしい。
増川さんにとってバンプの為にギターを弾いていたのか?自分がやりたくてギターを弾いていたのか?
「曲の求める音楽」を作るのに、嫌々音楽をやっている人が演奏していたら求める形になるわけないですからね
藤くんの相手に強制しない歌詞はメンバーに向けても同じだったことを知って安心しました。
俺たちは先に進むけど、ヒロはちゃんと自分で決めて選んでほしい、そんな願いが込められている気がします。
けっきょく自分を助けられるのは自分だけですからね。
ヒロはバンプの為ではなく、ギタリストとしてステージの上で堂々と演奏している姿が自分の望んでいた道なのではないかなと思います。
“僕らの場所は 僕らの中に どんな時も”
アルバム「ユグドラシル」には共通して「自分の存在理由」というテーマが内在していますね。
“ここにいてもいい理由”を外側に求めるといつか迷子になってしまいます。
だってそこには自分の心はないわけですからね。
“ここにいてもいい理由”を自分の中に見つけられた時、増川さんに当てはめるならバンプの為じゃなく、自分の為にギターを上手くなる!ってことでしょうか。
そうなればたとえ迷子でも道を間違わずに進んで行けると思います。