人形劇ギルドの基本情報と制作秘話

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の「人形劇ギルド」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では映像作品の解説や、制作秘話などについてご紹介します。「人形劇ギルド」を観る際に参考にして下さい。

BUMP OF CHICKENの書庫

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「ギルド」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記…


参考資料
・H Vol.88 October 2006
・ROCKIN`ON JAPAN 2006年10月号
『人形劇ギルド』DVDリリース・インタビュー
「interview with BUMP OF CHICKEN」exciteニュース 

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人形劇ギルドの制作情報

基本情報

タイトル人形劇ギルド
ジャンル映像作品
発売日2006年9月20日
監督番場秀一
原作・脚本藤原基央

「人形劇ギルド」はBUMP OF CHICKENの楽曲「ギルド」を元に藤原基央によって脚本が書かれた無声映像作品。BGMも藤原が手掛け、アイルランド音楽のようなカントリーテイストに仕上がっています。

制作に時間がかかり、着手から発売まで2年以上かかっています。

本編終了後にBUMP OF CHICKENのメンバー全員が登場し、作品中に隠れている「ニコルはどこにいる?」というクイズが出題される。

収録曲(BGM)

  1. 炭鉱の島がありました
  2. ガッシャン、ガッシャン
  3. お誕生日おめでとう
  4. そう言うと思ったよ
  5. じょうずだよ
  6. 素晴らしい才能だ
  7. ピアノをお求めですか?
  8. ありがとう!
  9. 信じていました

制作背景

アルバム『ユグドラシル』発売後にスタッフからアルバムのプロモーションを兼ねて、アルバムをリードするPVを作りたいというのがことの発端。

楽曲「ギルド」の制作時から藤原の中に炭鉱夫がずっとつるはしで坑道を掘っているクレイアニメのイメージがあり、スタッフが「作曲者自身が映像のイメージを持っているなら見てみたい」ということから制作がスタートしました。

お金や時間がかかると思った藤原はスタッフにビジネスとして採算が取れるか保証できないことを了承してもらいましたが、後にそのことでいざこざが起こってしました。(※詳細は【人形劇ギルド制作秘話】に記載)

人形劇ギルドの小ネタ

・劇中に登場する「66ギルド」の由来は、自分たちの愛せる数字にしたかったという理由でプロデューサーのラッキーナンバーである「66」が使用されました。

・劇中のどこかにニコルが隠れている

BUMP OF CHICKENの書庫

BUMP OF CHICKENの「人形劇ギルド」は2006年9月20日に発売されました。 人形を使った短編映画で無声映像…



人形劇ギルド制作秘話

バンドに起こった事件

画像:matome.naver.jp

スタッフからの提案で始まった「人形劇ギルド」の制作ですが、脚本を担当した藤原基央は「作るなら中途半端なものを作りたくない」ことと「お金と時間がかかるかもしれない」という前置きをスタッフが了承した上で制作が開始しました。

藤原は「本当にやっちゃっていいの?途中でノーと言われても止められないよ?」もっと正確なたとえを言うなら「ほんとうに避妊しなくて平気なの?」という気持ちだったそうです。

ところが制作途中で藤原とスタッフとの間に食い違いが起こりました。

映像を「ギルド」の演奏時間の5分に収めようとするスタッフ。それに対し、ラフ画を作り20分のストーリーを考えてきた藤原。作成したラフ画はもう余計なところは取った後で完成に近い状態でした。

それに対しスタッフは

スタッフ「ちょっとお金が・・・」

最初の約束と違い、予算の問題で制作を続けることが厳しくなってきました。藤原もお金が掛かってしまう事情はわかっていたのですが、「制作を途中で止められない」と了承を得た上でのことだったのでモヤモヤした気分でした。

・・・・

沈黙が流れ

スタッフ「じゃあ、出さない方向で

それを聞いた藤原はあまりにもショックで、机をバンッと思いっ切り殴って、外へバァーっと出て行ってしまいました。チャマはそれを追いかける係で、増川、升はスタッフに事情を説明する係。

チャマよりも真っ先に藤原を追いかけたのはプロデューサーでした。

“初めて見ました、あの人が泣くところ。号泣して、俺よりデカい声で泣いてて、その人見てたら俺も泣いちゃって・・・”

藤原基央
出典:H October 2006

そしてプロデューサーはタクシーを止めて藤原に「もう一回話し合うから」と謝罪しました。そして家に帰った藤原宅にチャマがやってきます。

チャマ「あそこでキレるのはいい!だけどおまえ、手ぇガンとやっちゃダメだろ!」

そしてチャマが泣き出し、そのあとは二人で熱い抱擁。

冷えピタシートなど買ってきてくれてたのですが、藤原の手は真っ赤に腫れていました。病院に行ったら先生にボクサーと間違われてしまったそうです(笑)

その後にみんなでもう一度話し合い、ようやく「人形劇ギルド」は無事に完成しました。


66号線の歌詞に出てくる実体験

いろんな紆余曲折があって「人形劇ギルド」は完成しますが、藤原が飛び出して行ったときにプロデューサーが泣いていたのは「66号線」の歌詞を連想させます。

“肩に溢してくれた 涙で出来た 音符を繋いで 盾を作ろう”

「66号線」/BUMP OF CHICKEN

「66号線」は藤原からのプロデューサーに贈られた曲で、インタビューで、「凄い大切な友達がいて、その人が泣くところを見たのは2回目だった」と藤原は話しています。おそらくその1回目が今回の事件だったのでしょう。

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バンプオブチキンの66号線の画像

後にタイアップするクリエイターから感想が寄せられる

2006年の雑誌「H」(エイチ)に4人のクリエイターからの「人形劇ギルド」に対する感想が載っていました。

羽海野チカ(漫画家)、くらもちふさこ(漫画家)、山崎貴(映画監督)、野村哲也(スクエニ、ディレクター)の4人が感想を述べていましたが、このうちの3人は今となってはバンプとコラボしたことで有名ですよね。

羽海野チカ⇒三月のライオン

山崎貴⇒ALLWAYS3丁目の夕日シリーズ、WILLPOLISのOP制作等

野村哲也⇒FF零式

驚いたことに野村哲也はこれより前に直接バンプに会っていたようで、その時にいつかいっしょに仕事がしたいという約束をしていて、2011年に発売されたFF零式に「ゼロ」を書き下ろしたことで実現しました。

BUMP OF CHICKENの書庫

BUMP OF CHICKENの名曲の一つである「ゼロ」はゲームソフト「ファイナルファンタジー零式」(FF零式)の主題歌…

 

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