乗車権の楽曲情報と歌詞の意味-自分がここに居てもいい理由-

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「乗車権」(じょうしゃけん)を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では乗車権の作曲の経緯、歌詞の意味、制作秘話などについてご紹介します。

アルバム『ユグドラシル』楽曲一覧へ


参考資料
・ROCKIN`ON JAPAN 2004年9月号、12月号
・トーキンロック! 2004年9月号
・B-PASS 2004年9月号

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乗車権の楽曲解説

基本情報

バンプオブチキンの乗車権の画像

タイトル乗車権
収録作品ユグドラシル(4th)
発売日2004年8月25日
完成時期2004年6月頃
作詞作曲藤原基央

BUMP OF CHICKENの「乗車権」はアルバム『ユグドラシル』に収録されている楽曲です。何かに追われているような緊迫感のあるサウンドが特徴的です。

アルバム『ユグドラシル』の中で「asgard/midgard」を除き、一番最後にできた曲です。

制作背景

きっかけは「オンリーロンリーグローリー」のカップリング

2003年4月に「オンリーロンリーグローリー」を完成させた時に藤原はスタッフから「カップリングを書いてくれ」と頼まれました。

曲はそのうち自然と書けるだろうと気楽に考えていましたが、お風呂で頭を洗っている時に鼻歌を歌っていたら「乗車権」のサビの《違うこれじゃない/これでもない違う》というフレーズが出てきて、一晩でいっきに完成させました。

主張が強すぎてカップリングはNGに

オンリーロンリーグローリーのジャケット9th Single「オンリーロンリーグローリー」

曲を完成させましたが「オンリーロンリーグローリー」のカップリングにするには主張が強すぎて相性が悪かったのでアルバムに収録されることになり、後に藤原のプライベートな事情が重なってできた「睡眠時間」がカップリングに収録されました。

睡眠時間の楽曲情報と歌詞の意味へ

曲を聴いてテンションが上がったチャマ

曲を初めてメンバーに聴かせた時にチャマが一番テンションが上がっていて吠えていました。というのも『ユグドラシル』にはミドルテンポの曲が多かったので最後にパンクな曲がきたことが嬉しかったようです。

「ユグドラシル期」から「orbital period期」へ

バンプオブチキンのアルバムオービタルピリオドのジャケット

「乗車権」はOPとEDを除きアルバムの中で最後にできた曲で、BUMP OF CHICKENはこの後に「車輪の唄」、「プラネタリウム」をリリースしorbital period期に突入します。

「乗車権」では行けるはずのない《夢の先》のことが描かれており、「プラネタリウム」では触れるはずのない《夢に触れる》様子が描かれており乗車権からの流れを引く作品だということがわかります。

ユグドラシルからシングルにリカットされた「車輪の唄」のカップリングには、ユグドラシル発売後に最初に書かれた「夢の飼い主」が収録されており、その曲も夢について書かれた楽曲になっています。



乗車権の歌詞の意味

曲のテーマ

藤原基央の考える「夢」

「これが夢なんだよね」っていうのをよく聞きました。でも簡単に諦めたりするんだもんな(笑)。笑っちまうよ、ほんとに

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.12

藤原は理想や恋焦がれるものとしての“夢”に対して非常に厳しい見方を持っており、夢を持つことは非常に覚悟の必要なことだと考えています。

「これが僕の夢です」と言いながら簡単に諦めてしまうようなものは夢とは呼ばず、本当の夢とは眩し過ぎて半端な覚悟で見たら目が潰れるくらいのものだと話しています。ちなみに「続・くだらない唄」では夢の見過ぎで目が悪くなったというフレーズが出てきます。

もうギラギラしててヤバいんです、ほんと、生半可な覚悟で見たら目がつぶれるくらいの輝きなんです

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.12

夢とは自分を突き動かす得体の知れないもの

追い求めたら危険な目に会うかもしれないリスクを知ったうえで掴もうとするのが夢であって、簡単に諦めるような都合のいい夢は夢じゃないのです。

藤原にとっての夢とは得体の知れないもので、歌詞では《光》と表現していることが多いです。「オンリーロンリーグローリー」で表現しているように、その光は自分のスピードより速いので追いつくことはできません。だから「永遠のドリーマー」なのです。

大体、俺の夢って何なんだって思うけどね。得体が知れないです。だから光として表現してる時があります

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN

【MEMO】
藤原基央にとっての夢とは、リスクと覚悟が伴うもので、簡単に諦めるようなものは夢とは呼ばない。歌詞では《光》と表現している場合があり、人間の歩く速度では絶対に光速に追いつけないことを意味する。夢とは一生掴めないもので、追いかけるものと考えています。そういう意味で人間は《永遠のドリーマー》である。



歌詞の内容

夢の先へ連れていってくれるバス

夢とは一生掴めないもので追いかけるものだと考える藤原は《夢の先》という言葉にどんな意味を込めたのでしょう?

絶対に掴めるはずのない夢の先に連れていくバス。夢は自分を突き動かす大切なものです。その夢を追い越してしまったなら人間はやる気のないただの抜け殻になってしまいます。

このバスに乗る人は楽して夢を叶えたいと考える、自分の人生にちゃんと向き合っていない人達であることがわかります。そもそも藤原からすればそんな夢は夢とは呼びません。

大した覚悟も持たず夢を掴もうとした主人公

《夢の先へ連れて行くバス》とは簡単に言ってしまえば、ズルできる乗り物です。バスに乗るために必要なものは“強く望むことを書いた紙”であり、書いたことが適当であっても乗車券として使えます。

主人公は大した覚悟もないのに夢を掴もうとしてバスに乗り込み、“強く望むことを書いた紙”を失くして乗り継ぎのバスに乗れずに慌てふためく様子が描かれています

他のアルバム曲とは違うテイスト

ユグドラシル期には「自分の道を進む覚悟」というテーマが多く見られますが、「乗車権」では「覚悟を持たずに夢を掴もうとする様子」が描かれていて、アルバムの他の曲とは少し違ったテーマになっています。

藤原の夢に対する価値観からすれば、ズルして夢の先に行こうとするバスの乗客全員が大した望みを持っていないことがわかります。

周りに流される乗客たち

バスに乗っているのは主人公と同じような楽して夢を掴もうとする人達だとわかります。

自分が周りと同じことをしてることに気付かずに「どうせ大層な望みでもないだろう」と罵る主人公、恐らく他の人たちも目をギラギラさせてたくらいですから同じことを考えていたと思います。

これは望みがないからといって、自分でよく考えずに周りに合わせて行動してしまう現代社会を皮肉っているようにも思えます。

高校時代の藤原

藤原は高校の時に「進路希望の紙をみんな当たり前に書いていて引いた」と言っており、周りに馴染めず学校を辞めたそうです。本当に大学に行きたくて大学を目指す人は稀だと思います。多くの人はとりあえず大学か専門学校には行っておいたほうがいいという社会の風潮に流されていると思います。

“あぁ見逃してくれ 解らないまま乗ってたんだ”

「乗車権」/BUMP OF CHICKEN

主人公もバスに乗ることが得策だと思ったのでしょう。よく考えもしないで乗り込んだ結果大変な目に合うことになります。

乗車権で伝えたいこと

自分がここに居てもいい理由

乗車する権利と書いて「乗車権」、これは自分がここに居てもいい権利と言い換えることができます。

歌詞を見ると「乗車権」がいろんな言葉で表現されているのがわかります。

「乗車権」→「乗車券」→「強く望むことを書いた紙」→「人間証明書」

自分がここに居てもいい権利とは、自分の望むことを明確にすることだとわかります。学校に居てもいい理由、この会社に居てもいい理由、それらは自分がそこにいることを望んでいなければなりません。

乗車権とは

自分がここに居てもいい理由は、ここに居たいと強く望めば、それがそのままここに居てもいい権利になるのです。周りから苦情が来ても、ここに居るという覚悟こそが乗車権なのです。

「乗車権」には自分がここ居る理由をよく考え、明確な望みと覚悟を持たなくてはいけないというメッセージが込められています。



乗車権のライブ情報

ライブでの演奏

初披露日時初披露ライブ演奏頻度
2004年9月17日MY PEGASUS@Zepp Tokyo (東京都)

ライブ映像が収録されている作品

収録作品備考

Butterflies
初回限定盤に付属のDVD&Blu-rayのライブ映像「Special Live 2015 at Yokohama Arena」に収録。

※通常盤には未収録

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