【BUMP】ギルドの公式情報と歌詞の意味-人は何の為に働いて、何のために生きるのか-

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)の楽曲「ギルド」を公式情報やインタビューを元に解説していきます。この記事では楽曲の解説や歌詞の意味、制作背景などについてご紹介します。「ギルド」を聴く際に参考にして下さい。


参考資料
・ROCKIN`ON JAPAN 2004年1月号、8月号、9月号、2006年10月号
・トーキンロック!2004年9月号
・B-PASS 2004年9月号
・H 2006年10月号

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BUMP OF CHICKEN「ギルド」の公式情報

BUMP OF CHICKEN「ギルド」の基本情報

バンプオブチキンのギルドのジャケット

タイトルギルド
収録作品ユグドラシル(4th) 2004年8月25日
BUMP OF CHICKEN II <2005-2010>
完成日2003年11月末
映像作品人形劇ギルド
作詞作曲藤原基央
タイアップなし

BUMP OF CHICKENの「ギルド」はアルバム『ユグドラシル』に収録の楽曲です。

「仕事」をテーマに歌われた曲で、タイトルの由来は中世ヨーロッパの同業者組合を意味する「Guild」 。ゴスペルフォークをイメージしたサウンドだと藤原は話しています。

自分が望んで生きているのか?それともなんとなく生きているのか?そういった考えを持たなくても生命活動を維持するために自動で呼吸が続いていることが怖くなったという藤原の体験から出来た曲です。

「ギルド」の制作背景

ギターを張り替える僅かな時間で作詞

2003年11月末のリハーサルスタジオにて行われた太陽のレコーディングの合間に、藤原がギターの弦を張り替えている僅かな時間で歌詞を完成させました。曲自体はこの前日に完成しています。

その日にROCKIN`ON JAPANの鹿野淳(現在はMUSICA編集長)は取材で来ており、「ギルド」の歌詞が完成する瞬間と4人でセッションするところに立ち会っています。

ROCKIN`ON JAPAN 2004.01

当時の藤原は作曲活動で多忙だったので、この日にスタジオに顔を出したのは久しぶりのことでした。そういった偶然も重なり、この奇跡ような出来事にメンバー4人とも驚いて「こんな奇跡ありえない」と口々に語っていました。

曲のイメージ

楽曲中では絶えず金属を叩く音が聴こえますが、これは制作中から藤原の中にあったイメージで「炭鉱夫が坑道の中をつるはしで掘っている様子」を表現したものです。後にこのイメージを元に映像作品「人形劇ギルド」が制作されます。

「人形劇ギルドより」

ビリージョエルの影響を受けた作品

金属音を入れた理由は、曲を聴いた人に労働者のような気持ちなってもらいたいという意図があり、アイデアはビリージョエルの「Allentown」(アレンタウン)の影響を受けているかもしれないと話しています。

“ビリージョエルを暇な時に聴いてて、「あれっ?アレンタウン!」って。少なからず、絶対影響は受けていると思うし”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2006.10



BUMP OF CHICKEN「ギルド」の歌詞の意味

「ギルド」の歌詞の内容

人間という仕事

《人間という仕事》というフレーズが印象的ですが、これは“人間でいるという作業”をたとえ話にしたものです。

一言に「仕事」といってもいろいろあり、料理をすること、遊ぶこと、話すことなど全ての行動が見方を変えれば仕事として考えることができます。そういった行動をまとめたのが《人間という仕事》なのです。

「仕事」と聞いて、ポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかは人それぞれだと思います。しかしおそらく仕事を“やらされるもの”“面倒なこと”と考えている人の方が多いと思います。

「ギルド」はそういった、仕事をネガティブに捉えてなんでもやらされてる感覚で生きている人に向けた歌なのです。

“日々の「生きる」ということをワーク感覚でやってる人って、意外と多いと思うんですよ”

藤原基央
出典:トーキンロック!2004.09



自分の意思とは関係なく続く日常

Image by moshehar on Pixabay

私たち人間は「人間に生まれたい」という願望を持って生まれた人は1人もおらず、どれほど嫌なことがあっても生きている限り人間を続けていならければなりません。

「ギルド」では、そういった自分の意思とは関係なく自分自身を続けていけない時があるということを淡々と歌った曲になっています。

“自分の意思とは関係なく自分自身を続けていかなきゃいけない時もあるんですよね。ということを淡々と歌ってるんでしょうけど”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.09

ギルドで伝えたいこと

いずれにせよ その瞳は 開けるべきなんだよ”
“構わないから その姿で 生きるべきなんだよ”

「ギルド」/BUMP OF CHICKEN

事実を淡々と歌っている歌詞の中で、「○○すべきなんだよ」というフレーズはリスナーに向けて訴えかけていて、藤原の明確なメッセージや哲学的な問いに対する答えであることがわかります。

私たちは生きているのか生かされているのか、世界が汚れているのか自分が汚れているのか、そういった哲学的な問いは答えがありません。わかっていることは、生きている限り人間でいることを続けるしかないということなのです。

結局伝えたいところは、わからないことで悩む前に、事実を事実として受けいれるべきということなんだと思います。

“望んだのか、望まれたのか……わかんないですけど。人間である以上は人間であるしかないというか”

藤原基央
出典:ROCKIN`ON JAPAN 2004.08

私たちは自分の意思とは関係なく生まれてきました。しかし、生きているからには生きているという抗いようのない事実を受け入れ、この世界で自分の生きる意味を探すべきなのでしょう。世界は自分のものなのです。



BUMP OF CHICKEN「ギルド」のライブ情報

「ギルド」のライブ演奏記録

初披露日時2004年9月17日(金)
初披露ライブMY PEGASUS@Zepp TOKYO
演奏頻度

「ギルド」はアルバム曲ながらライブでの演奏率は高い楽曲です。ユグドラシルを発売した後にスタッフからアルバムのリード曲としてPVを作成する予定の候補になっていた曲でもあり、ベストアルバムにも収録されるなどスタッフサイドからはシングルに近い扱いを受けています。(メンバーは曲を対等に扱っている)

「ギルド」の収録されているライブ映像作品

収録作品備考

Butterflies
初回限定盤に付属のDVD&Blu-rayに収録

aurora arc
初回限定盤に付属のDVD&Blu-rayに収録
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